第4章 大切な思い出
私が久しぶりに声を出せるようになったのは、ドフラミンゴに拾われてから一年経ったときだった。
その日はお迎え記念って事でちょっとしたお祝いをしてくれた日だった。
その頃には、ドフラミンゴの事をそこまで怖いとは感じなくなってた。
ただ、何を考えているのかよくわからない人だと悩んでいた。
「。これはオレからのちょっとしたプレゼントだ」
「?」
受け取った箱を開けると、手首につけるブレスレットが入っていた。
そこにはドフラミンゴの髪と同じ色の金色に光る石が埋め込まれていた。
私は、ずっと悩んでいた。
自分の立ち位置を。
ファミリーにお世話になっているけど、ファミリーの一員ではないと感じていた。
訓練も勉強もしてないし、何かあってみんなで出かける時もそこにいろと少し離れたところに居るだけだったから。
「気に入ったか?」
そして、石の横にはドンキホーテファミリーの海賊旗のマークが彫られていた。
うれしい。
なにもさせてもらえないけど、仲間なんだって思えて。
「……がと」
「「「!!」」」
「ありがとう」
この日私は久しぶりに声がだせた。
正直このときドフラミンゴが嬉しそうな顔をしてたから私も嬉しくて、コラさんがどんな顔をしてたのか思い出せない。
複雑な顔をしてたんじゃないかと、今なら思う。
あの時、ドフラミンゴに心を開いてなければ、
コラさんに言われた時にファミリーから逃げていれば
きっとあんな事にはならなかったのかもしれないと
何度も何度も後悔をする。