第10章 託されるもの
ルウ「ルフィお前、まさかこんな実食べたんじゃ……!!」
ルフィ「!うん、デザートに……!!まずかったけど……」
「「えええええっ!!」」
「え゛っ」
そんなやり取りと共にルウが見せてくれた絵だけど、どう考えても美味しそうじゃない紫色のグルグル模様のその形……。ぶっちゃけ絶対ヤバい毒と言っても大袈裟じゃなさそうなそれを、ルフィはこの場で隠れてこっそり食べたらしい。しかもデザート感覚だったと聞いて、さすがに私も血の気が引いてしまった。だってそう呼ばれている果物の存在、その恩恵と呪いは父親・ロジャーが誰かに喋っていた時があって私は知っている……
シャンクス「ゴムゴムの実はな!!悪魔の実とも呼ばれる海の秘宝なんだ!!!食えば全身ゴム人間!!!そして一生泳げない体になっちまうんだ!!!!」
ルフィ「えーーっ!!うそーーーっ!!」
シャンクス「バカ野郎ォーーーっ!!」
そんなルフィの盗み食い事件から数日後、再びお騒がせの山賊達がフーシャ村に来たんだけど、その日はロシナンテさんの指導があって私は村を留守にしていた。だから港にシャンクスさん達がいるのを見かけて合流し、村に着いた頃には既に山賊達へ立ち向かって負けたルフィが痛めつけられた後で。その山賊達のリーダーだという男・ヒグマを残して、部下は全員倒したんだけどルフィを人質に逃走されてしまった
そして逃げ出したヒグマがいるのは、近海の主が住まう海。遠目で二人を見つけた私が海に飛び込もうとすると、シャンクスさんが私や仲間達に「任せておけ」と言って飛び込んでしまった。するとヒグマはルフィを突き落として、当然泳げないルフィは何とか必死でもがいてるが、その間に海王類が現れてしまってヒグマごと船を喰らってしまった。次いでルフィも標的にされて、大口を開けた海王類を襲われかけた時だ……
何とか間一髪でルフィを助けてくれたシャンクスさんだったけれど、彼は咄嗟にルフィを庇ったことで海王類に右腕を食いちぎられていた……。それを間近で見てしまったルフィと、港からでもベックマンさん達とはっきり見てしまったウタちゃん。あまりに血生臭いその光景に私もショックを受けたし、二人は大泣きしたけど、右腕を失くしたシャンクスさんは海王類を「失せろ」と覇気で威圧して追い払っていた