• テキストサイズ

転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第10章 託されるもの



「嘘を吐くのはダメだよルフィ?こっちの目の下ね、本当は痛かったんでしょう?」

ルフィ「!!お、おう……怪我してごめん、姉ちゃん」




いきなり私がこの場に来たものだから、驚いたルフィはその理由を聞いて必死に誤魔化そうとした。だけど目線はあちこち向いて全く合ってないし、言葉も必死に嘘を吐こうとしている事が丸分かりだ。だから私が嘘を吐きかけたのを軽く注意し、手当されてる左目の下にそっと触れたら、ハッとなったルフィが顔を俯けて落ち込みながら謝った


どうやらこの子は自分で傷を負った経緯(いきさつ)を私が知って、良くない事だと思われてると感じたらしい……。けれど私はせっかくの覚悟を持ったその行動を、ルフィ自身が悪いと言ったのが許せなかった。一応バーの中でルフィの隣に座ったシャンクスさんや、赤髪海賊団のメンバーも席に座っているけど何故かお祝いムードで。「おっ!も来たのか」やら、「今日はルフィが頑張ったんだぞ〜」やら言ってくるけど、今はその呑気さにも腹立つので無視である




「いいえ、謝ってはダメよルフィ。自分で決めてした事でしょう?自分の意地を彼らに見せたかったんでしょう?だったらその事で嘘も後悔もいらない、私や村の皆が心配するのも分かってやっちゃったなら尚更にね」

ルフィ「う、うん……」

「だから堂々と胸を張りなさい、譲れない思いがあるなら誰にも誤魔化さないで。確かにルフィの行動が姉の私には良くなかった、それは否定しない。誰しも自分を傷つけるのは良いものじゃないし、家族に何かあったら心配で不安になるのは愛があれば当然だもの……。だから私に教えてルフィ、貴方が何を思ってそうしたのか」

ルフィ「!!……オレさ、絶対海賊になって世界を旅してみてぇんだ!だから怪我をしても、戦いになっても、怖がって逃げる弱虫男じゃねえって証明したかった!だからキズはすっげぇ痛いし、姉ちゃん達には悪いと思ったけど、それで後悔なんてねぇ!」

「うん、よーく頑張ったのねルフィ」




自分でも厳しい言葉と冷たい態度だと分かってるものの、ルフィにはきちんと正直な素直に向き合ってほしかった。だから私の言葉で赤髪海賊団まで静かに見守る中で、ルフィが俯いていた顔を上げて堂々と宣言してくれた言葉には私も満足で笑みが溢れた
/ 163ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp