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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第10章 託されるもの





こうしてロシナンテさんが弟子入りしに来て数日、私は海兵だったという彼の見事なドジっぷりに翻弄された。例えば練習で仕掛けた罠に転んだ拍子でハマってしまったり、何故か攻撃で吹っ飛んだ動物の下敷きになったり、せっかく出来た物事をドジで台無しにしちゃったり……。とにかく気が抜けた時のうっかりミスが酷すぎるので、毎日何度か頭を抱えてしまっている。これはもう絶対に目を離したらいけない、ロー君と仲良く協力し合って暮らしてくださいね……


しかしロシナンテさんは私が悪い賊達に行う仕置きに対し、おじいちゃん達と同じく白目を剥くのでよっぽど優しく繊細なタイプらしい。そんな彼の言い分としては、「一思いに殴っちまう(解決する)方がマシな事もあると思う……」だそうで。そう言った彼の顔色の悪さを見ては、さすがに善処していこうとは検討した。(ただし相手の悪さによるので絶対しないとは言ってない)






閑話休題(それはそれとして)……


最近のシャンクスさん達はルフィの海賊になりたい攻撃に対し、「○○じゃなきゃ」と理由をつけて断固認めない姿勢を見せるようになった。それは一見ルフィを揶揄って楽しむような雰囲気を放っているけど、何度ウタちゃんに負けても絶対諦めようとしないあの子に必死なようだった。何せ海賊になったら毎日危険が伴うのだし、ルフィはまだまだ幼い子供で懐いてくれるが、自分の航海に連れて行ける相手ではない……。いつだかマキノちゃんのバーで大人達とだけ会えた際、シャンクスさんが仲間達とそう言っていたのを覚えている


ただし肝心のルフィは本気で馬鹿にされてるだけだと思ってるようで、必ず認めさせてやるって息巻いていた。私はそんなルフィの様子を見る度、何もしてないか不安で冷や冷やしていたのだ。それでまさかシャンクス達の海賊船……レッドフォース号まで押しかけ、自分の左目の下をナイフで斬ってしまうとは。それを知った私はちょうど島内の別地域にいる悪い海賊達を倒した後で、仰天しつつも始末をつけたらすぐに帰ってシャンクス達が居座るマキノちゃんのお店に駆け込んだ



「ルフィ!」

ルフィ「あっ、姉ちゃん!どうしたんだ?」

「どうしたじゃないよ?ルフィが自分の顔を切ったって聞いて帰ったの!」

ルフィ「そ、そうなのか?でもオレ……その……い、痛くなかったぞ?!」
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