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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第10章 託されるもの



ただし再び東の海(イーストブルー)を拠点にしているコハクをカナタが呼んで、噂を詳しく聞けば話は違っていた。『女』は15になったばかりの女の子であり、賊を虐めた()わけじゃなくて先に家族・友達を手出しされて相手を懲らしめただけなんだと。どうやら微妙な誤解を招く噂が流れているようで、コハクにその女が私……だと言われ、10年以上の古参勢が「ああ納得」となったそうだ。


……まったく、そんなに私って容赦ない子に見えるんだろうか?やられた分を相応に返しただけなのに、流血沙汰にはなってないのに遺憾の意です(手紙はきちんと「誤解しかけてごめんね。さすがアイツの子供」と一応謝ってくれている。)あぁでも、コハクは私の環境改革についても熱弁したらしいので、最低なイメージが無いのは心底安心した


そうして私の生活模様を聞いた一同は決めた、「そうだ!この子に協力してもらおう!」と。なんだかんだで家族愛の凄い白ひげ海賊団だが、やっぱり彼らは海の男で喧嘩の多い集団なので、陸地の小綺麗なサバイバル生活なんて分からない。既にローくんは偶然スワロー島に降り立って友達が増え、そこの優しい老人に頼んでお世話になってるそうで……。それから今に至るのだそうだ───










そんなロシナンテさんの絶望的な状況と必死な闘志、慈愛に溢れた想いが恩ある人に綴られている手紙を読んで、返事に迷いや拒絶なんてある筈もない。私は身長サイズの手紙を畳んで羽織の内側にしまい、ずっと黙り込んだ固唾を飲んでいてロシナンテさんを見上げて、緊張している様子の彼に微笑みながら頷いた



「……ありがとうございます。手紙で少なからず事情は把握しました。細かい情報は分かりませんけど、詮索する気はありませんのでご安心を。それに私も小さい頃から大事な弟を養ってきた身です、子供の私を頼りにするほど必死な貴方は見過ごせません。喜んで受けましょう、頑張りましょうね」


「ほ、本当に良いのか?!」


「ええ、もちろん。ですが今はここを赤髪海賊団が拠点にしているし、ガープおじいちゃんが時々帰って来たり、私は近々働く為にこの島を出ようと思ってます。なので短期間のスパルタになっちゃいますけど、大丈夫ですか?」




一応喜んでるロシナンテさんにこの島の状況を打ち明け、尋ねてみたけど返って来た答えは言わずもがなだった
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