第8章 音楽家と華(FILM REDネタバレあり)NO SIDE
それほどウタは困ってしまう事が多い頑固な子だが、可愛げのある娘である。そんなウタが野菜嫌いを開き直るセリフの後、視線をラッキー・ルウに向けているのに気づいた。今の配置はカウンター席にシャンクス、ウタ、ルフィ、の順で座り、他のクルー達は仲良くテーブル席に座っていた
そしてカウンター席の四人はちゃんとした食事、野菜炒めをマキノに作ってもらって食べたのだけど、ウタがお肉と白米を平らげて野菜のみを残すのでさっきの会話となった。テーブル席では真昼間からお酒とつまみの料理、ルウの前には大きな骨つき肉まであった
ルフィ「え〜っ?!野菜もうまいんだぞ?ちゃんと食わねぇとダメだ、いいから食ってみろよ!」
ウタ「い、いらない!」
「あ〜……うん、なるほどね。これは無理もない、ウタちゃんがこうなるの」
無邪気なルフィとウタの攻防を横目に、シャンクス達を見回したのこの言葉。それで全員の視線がに向けば、彼女は苦笑いになって言い加える
「だって皆見てみてよ、自分達のテーブルの上。一応シャンクスさんは父親だからしっかりしてるけどさ、真昼間からお酒とおつまみは環境的に不健康だし説得力に欠けてるよ。と言うか、貴方達は全員揃ってウタちゃんの家族でしょう?これでウタちゃんだけが注意されて、大人は海賊だから良いなんて理由になってないよ。さすがに仲間外れにされた気分になるし、不満になったんじゃない?」
シャンクス「えっ……」
「それに極めつけがラッキー・ルウ、お肉大好きな貴方があんまり野菜を食べずにいるのも良くないわ。何も好き嫌いがあるのが悪いんじゃないよ、誰しも何個かあるものだしね……。だけど食事で十分な栄養を取らなきゃ、栄養失調で不健康になっちゃうわ。免疫と体力が低下したり、色んな病気と肥満の原因になるし……」
ホンゴウ「ああ、その通りだ。だから必死に食べてもらおうと色々試してみたが、まさかの子供ながらな盲点だな……」
「子供って大人が思うよりずっと色んな事を見てるし、良し悪し問わず何でも覚えて、真似して、考えながら成長していくものなんだよ……。まぁでも、これは私の単なる予想だから……ウタちゃんの気持ちは本人にちゃんと聞かなきゃね」