第8章 音楽家と華(FILM REDネタバレあり)NO SIDE
シャンクス「せ、船長……っ!オムツもミルクもダメだったんだ!オモチャを見せても、寝かしつけても、違う違うって泣き止んでくれねぇよ!」
バギー「宴が始まる前から起きてて、大人しかったのにすっげぇグズりだしてよぉぉ!こんな不機嫌になんのも珍しすぎるし、船長何とかしてくれよぉぉお〜」
縦へ横へとロジャーが揺らすも、その泣き声と涙は全く止まる様子がないし、皺くちゃな眉間が不機嫌そうに寄っている。女の子は豊かな金髪とルージュの瞳をしており、崩れた顔さえ可愛い女の赤ん坊にロジャーを囲って覗いた白ひげ側の海賊が全員で「ほぉんっ」と小さく感動。赤ちゃんと子供はみんな可愛いものである。そしてシャンクス達の涙がながらのSOSを受けたロジャーは、揺らすのをやめて小さな背中をポンポンを叩きながら優しく喋りかけていた
ロジャー「おぉ、おぉ、寂しくさせちまったなぁ?いやだよなぁ、怒るよなぁ、置いてきちまってごめんなぁ〜」
「ふええぇぇっ、グスッ……うぁぁああっ、ヒック……」
周りはすっかり騒ぐのをやめてロジャーのお世話を無言で見守り、何度も彼が「ごめんな」と謝っていると次第に泣き声も動きも収まっていく。赤ん坊のは自身を抱きしめるロジャーを見上げ、分からないはずの言葉に耳傾けながら次第にゆっくり泣き止んだ。そうして漸く落ち着いたはすぐに、自分達を囲い込んでいる知らない強面の男達に気づき、彼らもキョトンとした顔で自分達を見回す姿にヒュッと息を呑んだ
待て待てやばい……絶対これはまた泣くぞ……
そう思っては固唾を飲んだ男達が硬直していると、ロジャーの後ろから仲間達を群れの外で見守っていたおでん一家やニューゲート達が近寄って。その足音のドシンドシンッで興味引かれたは再び頭上のロジャーを見上げる。ロジャーを見上げてその後ろ、3mを超える長身のニューゲートやおでんに気づいたは……
「んきゃああぁぁっ!!」
「「おぉ」」
「「わ、笑ってるぅぅぅ?!」」
とっても眩しい笑顔と、全身を動かしながら臆せず上機嫌に喜んだ。ついさっきまでの大泣きなんて幻か、普通は怖がって泣かれるぞ、威厳がねぇぜこれは。白ひげ海賊団が総じて愕然としたが、感心しているロジャーやシャンクス達にはいつもの事である