第7章 赤髪海賊団
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どうやら私は盛大な勘違いをしていたらしい。てっきり海賊に怯えるルフィに対し、お転婆な娘さんが単なる悪戯心で揶揄っているのを邪心で楽しんでいる捻くれ者かと思ったのだ。しかし騒動に気づいたコハクが止めてくれて、マキノちゃんが働く酒場・PARTYS BARで村長と私達姉弟、赤髪海賊団によって話し合いが催された。そして幾つもテーブルを合わせてお店が会議室と化した中、私が放った第一声はもちろん……
「本当にすいませんでした!!」
綺麗な直角のお辞儀と謝罪である。私と船長さんの腕にはルフィと少女が抱えられて、それぞれ不安そうな顔で対面の親子・姉弟を見つめた。ルフィは嫌いな海賊がいるなので居心地が悪く、少女の方も色々混乱する事ばかりで揶揄い過ぎた事に落ち込んでいる……。本当に居た堪れなくて深く頭を下げて謝っていると、船長さんの方も苦笑いで申し訳なさげにルフィに謝り返してくれた
シャンクス「あぁいや、元はと言えばこちらが原因だろう?悪かった。ウタも初見でオレ達が恐がられるのに慣れっこでな、子供同士だと楽観視しちまった……。オレらもその子が勇敢で度胸があるなと思ってな、見てたらついつい微笑ましくてな……」
ベック「まぁでも、だからってアンタら村人側にはシャレになんねぇ事も分かってるし、こっちも承知で上陸したからな……。側から見てりゃあ勘違いされるのも仕方ねぇし、不安を煽っちまうぐらい失念してたこっちが悪い……。ほらウタ、お前からも」
ウタ「意地悪しちゃってごめんなさい……」
船長に続いて副船長も、娘のウタちゃん本人からも反省の色が伺えた。正直ここまで筋の通せる海賊なんて初めて会うし、彼らが他の海賊らしい連中達とは違うんだと理解するには十分だった。それにルフィも「別に気にしてねぇ!」とニシシッと笑っていて、もう一度私はウタちゃんに向けてしっかり謝った
「本当にごめんねウタちゃん。悪気がなかった君にも、君の家族にも嫌な思いをさせちゃった……」
ウタ「ううん、全然!ちっともお姉ちゃん悪くないもん!それにすっごく力持ちだしかっこよかった、謝ってくれてありがとう!」
するとウタちゃんも慌てて両手を前で振りながら一生懸命に謝り、最後はルフィと同じく可愛い笑顔で腕力を褒めてくれたお礼も貰った