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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第7章 赤髪海賊団



そして弟だという子供はクリッとまん丸い黒目と黒髪、幼いけれど海賊に噛みつく勇気と度胸を備え、素直で純粋そうな生意気ざかりの元気な子。正直二人は似ていないが、本当の姉弟のように抱きしめ合う様子は微笑ましい……こんな状況じゃなければな。何せ9つのウタより明らか年下だろうその子は、必死に泣くのを堪えながらも涙を流して抱きしめ返されて。その光景にオレ達は全員、ウタさえ「これはやばい」と頭が真っ白になって頬が引き攣った




シャンクス「ああ、いや……お嬢さん待ってくれ!オレ達は別に騒ぐつもりじゃなくてだな……?!」


「……へえ?ですけど、あれじゃあ弟が娘さんを悪い子だって誤解しますよ?怯えられる理由を知らない彼女が意地悪し、海賊に怯える幼い子供を、貴方がお仲間さんと笑って眺めてましたよね?」


シャンクス「そうだけど違う!説明は合ってはいるが、字面に籠ってるような悪意は断じて無いんだ!本当に本当に申し訳ない、謝るから話を聞いて下さい!お願い!この通りです!」




当然反論の余地はない、本意ではないが怯えさせたのは事実なので。オレだって娘や仲間を脅かされて、一対複数の状況だったらもちろん怒る。そしてこの騒動で次々に村から人が覗き込み、仕舞いには村長ともう一人、髪と目が新緑色で三角巾をつけた女性も口元を両手で覆って絶望的な表情になった


頼むから悪い方に勘違いしないでくれ。最早涙が出てくるレベルで良心が折られたオレは、父親としても船長としても、威厳をかなぐり捨てて必死に土下座した。こんな勘違いのトラブル、冷静じゃいられないし御免だ。ぶっちゃけお姉ちゃんの方の容姿や、身につけている物に既視感があるけど気にしていられない


すると上空の方からバサッバサッと何かがはためく音がして、山の方から飛んで来る動物がオレ達やあの姉弟に大きな影がさす。見上げてるウタが目を見開いて、小声で「大きいカラス……」と呟いた。そして大きなカラスだというその動物をオレ達も見上げてみると、その種類がここらにいない筈の存在だったから仲間と一緒に愕然とした。更にそんな不思議なカラスがオレ達の間に降り立ち、何故かオレを見て首を傾げた後に姉弟達の方へ向くと、大声で鳴きつついきなり人語を語りだす




コハク「カアァァアッ!、シャンクスハアタシノ友達ヨ!安心シナサイ!」
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