第7章 赤髪海賊団
たとえ子供同士のやり取りだったとしても相手は海賊であり、しかも船長の娘であるのを高らかに宣言できる子なら父親に対する敬愛の情は軒並み高い。そんな筋肉のない細身な少女は声も態度も恐怖への理解がなさそうだ。それでも少女の後ろに控える本物の海賊達に怯えながらもルフィが喧嘩を売って、少女も自分に本気で恐れるルフィを揶揄っていたが喧嘩に乗り出す気満々で。そんな二人のやり取りを口角をあげ、楽しげに眺める海賊の男達……
ルフィ「や、やってるやるよ!姉ちゃんが戻って来るまで、絶対にここは死んでも通さねぇからな!」
「!!」
そう言い放ったルフィの勇姿と屈しない覚悟、その冗談じゃすまない重みに少女が驚く表情を見てしまった私は……。私はこの瞬間にとんでもない勘違いをし、短気な海賊だったら怒る言葉を放った弟を守る為にググンッと空気を踏み締めた。父親だと言う男が何かを言おうと口を開くが、それより私の行動の早かった
そこの空気を踏みしめた衝撃は海に大きな波を生み、高速でルフィの元に辿り着いた私はルフィを抱きしめ、二体の海王類を山に投げ捨てる。海賊への殺気や怒りは弱い、何よりもルフィと村人達を守る意思の方が強いので。だから一瞬にして横から出てきた私に、少女も海賊達も目を見開いて驚いていた
そんな男達が咄嗟に武器を持とうとするが、私が攻撃を全部を弾けばいいので唖然としている腕の中のルフィに視線を注ぐ
ルフィ「えっ……あれ、姉ちゃん?帰ってきたのか?」
「そうよルフィ、貴方のお姉ちゃんよ!よく頑張ったわね、もう大丈夫!よかったわ無事で!!」
ルフィ「ね゛、ね゛ぇぢゃん……!!」
「「ね、姉ちゃん?!!」」
安心させるように褒め、笑ってあげたらすぐさま大声で私を呼んで我慢しつつも泣き出すルフィ。そして泣き出す子供の言葉に驚く海賊達は、武器へと伸ばしたその手を止めて愕然とする。私はあんたらの姉ちゃんじゃありませんが?そういう感情を込めて振り返りざまに睨むと、彼らも少女も表情が「これはまずい……」と真っ青になっていた───