第7章 赤髪海賊団
「な……っ!!分かった、すぐに戻るわウープさん!」
ルフィが私の代わりに海賊と会っている、私が帰るまでに村の皆を守ろうとしている。そんな危険極まりない連絡に私も血相を変えて、慌てて返事した後、電伝虫を切って羽織の内ポケットに仕舞うと指笛を二回。ピュルルルッ、ピューーィ!『海賊が来た、一人で戻る』と思いを込めて鳴らせば、すぐにカエデが「グゥルルッ」とひと鳴き。それが承諾の合図だと感じ取った私は、獲った海王類を担いだままで軽くジャンプ。力一杯空気を蹴って月歩を発動すると、全速力でフーシャ村の港に帰って行く
ああルフィ、どうか危ない真似をしないで!間に合ってちょうだい……っ
そう祈りながら空を駆けること数秒、報告通りで片目に三本傷のジョリーロジャーを掲げる大きな海賊船が着いていた。船首は龍の形で全体的に真っ赤なデザイン、遠目からでも十分目立った船だった。それを見て一層月歩の威力を上げて海上を進み、ちょうど横から見える角度なのを幸いに注視していれば船から出てくる海賊らしい粗野な服装をした男達。そんな連中の中でも先頭にいるのは、燃えるような真紅の髪と片目に負った三本傷……
どうやら彼が船長らしいのだけど、そんな彼の前にもルフィと同い年のぐらいの少女が一人。その子は紅白髪を兎のように愛らしく括り、清潔感のある綺麗な服も着て。見るからに大事に育てられていそうなその子は、船が港に着いて男達と楽しそうにはしゃいでいる。そして楽しそうな彼らの笑い声が鋭くなった聴覚に聞こえ、「何とか間に合いそう……」と安堵したその時
ルフィ「……お前ら海賊か?」
村から恐怖に震えながらも一人で出て来たあの子、幼いルフィが気丈にも海賊に声をかけたのだ。その光景に一気に血の気が引いた私が、思わずヒュッと息を呑んでいれば、港の方では海賊側の少女が悪戯っ子の笑みで言い返す
「そーよ、なんか文句でもあんの?だったら聞くよ?船長のシャンクスの娘、このウタが!」
ルフィ「海賊なら出ていけ!」
「なに?やるっての?」
真っ直ぐ海賊達を怒鳴って睨み返し、拳を握り込んだルフィは必死で喧嘩腰。そんなルフィにニヤッと不敵に笑って返した少女も海賊だ、誰から見ても彼らにとって掌中の珠で刺激するのが危険であるのは明らかだ