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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第7章 赤髪海賊団



それに、正当防衛を超えるぐらいが丁度良いでしょう?可愛いものじゃないですか、多少痛めてつけてやっただけですし……


そう言って最後に「ね?」と貼り付けた満面の笑みを向ければ、海賊相手に容赦がない筈の海軍四人組さえ白目を剥いていた。確かに怒りを思い出して言葉に圧をかけたけど、覇気は放ってないのに不思議だった───











……とまぁ、そんな経緯があって「一般人を虐げた結果、逆に虐められる馬鹿な海賊の絵面」が世間に晒された。そしてその日以降も私が村人達を傷つける奴らをお仕置きし、相当な悪なら海軍へ、唯のチンピラは海王類のカナデを付けて島流し!


そんな物騒な生活ばかりしていたのだが、ある日、何の脈絡も無くフーシャ村に着いた一つの海賊団がいた。その名も赤髪海賊団……彼らはルフィの人生を大きく変える、偉大な存在だった。そして私にとっても、自分の忘れた過去に大きく関わる人物だったのである。それも酷く誤解や混乱を極めた出会い方をしたのだった───













その日、私は近海の主の領域よりも離れた位置で、我が家の食料分と村に支給する分の海王類を二体捕獲した。カナデと仲良く背に乗って漁業をするのは日課であり、遊びと仕事を両方兼ねたコミュニケーションだ。どちらも50mほどの大きさで活きが良く、私に飛びかかって来たのを納刀している日輪刀で武装色を纏い、殴り倒して両方数百kgのそれらをロープで縛って陸まで牽引していく……。事件はその道中で緊急連絡用の小型な電々虫が鳴り、どういう理屈か通話相手を模した叫び声で知らされた


プルプルプル、プルプルプル……、そんな無機質の音を喋る前世で見かけたカタツムリに似ているそれ。サイズは個体で違うらしくて、私は小さな電々虫を村との緊急連絡網に雇っていた。そしてその子が突然鳴き出したので、すぐさま片手で海王類のロープを持って電々虫を取り出しながら応答すれば、その子は村長さんの顔に変わって血相を変えて喋りだす




ウープ【た、たたた、大変じゃ!!海賊が来よった、ルフィがお前さんが戻ってくるまで戦うと言って飛び出しよった!】



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