第7章 赤髪海賊団
けれど当初は泣きじゃくって「男の尊厳踏み躙られた」と喚く賊達を見た海軍は混乱が起こるし、新聞会社も情報元を気にしてるから私はおじいちゃんのお呼び出しを受ける───
私が通された場所は海軍本部の元帥室。そこで元帥のセンゴクさんを始めとし、三大将の一人・青雉ことクザンさんや中将・お鶴さんに囲まれながら、祖父のガープ中将と面会する羽目に。一応怖さが緩い面子らしいけど……。もちろん事前に場所やメンバーは聞かされていたし、何せ年端もいかない身故で迷子や緊張を考え、ドキドキ☆おじいちゃん送迎もしてくれた。しかもお仕事帰りのようで軍艦、部下さんからはフルーツジュースとケーキを頂き、にこにこ親切な対応を受けた
「嘘だろ……あんなに綺麗で大人っぽいのに14歳……」
「本当にガープ中将のお孫さんなのか?悪いが見た目はスタイル良いし、柔っこいから普通の村娘に見えるけど……」
「でもよ、あんな細っこい体で身長5倍に1tの物体振り回せるらしいぞ……。六式も覇気も出来るんだとか……」
「あっ!それガープ中将がよくする孫自慢ですよね?!今や海軍中の噂になってますし、ヤンチャでお呼び出しされるんですもんね〜」
「実際にここまで来る時、50m級の海王類が出て来て一発殴ったら気絶させたって……」
「「いやぁ、さっすがガープ中将のお孫さん……」」
本部の廊下ですれ違う海兵達が喋ってるこの会話、実を言うと見聞色をマスターしてから五感も鋭くなってしまって、1km離れた場所でも丸聞こえ……。と言うか、さすがって何なの?どんな武勇伝残したわけ?なんて非常に気まずい思いをしつつも、やって来た元帥室。なんとおじいちゃんはノックも挨拶も無いまま入室し、私の腕を引いて入って行くじゃないか。すると中にいたのは、聞いていた三人の男女と思しき人達……
まずは向かい合って備えられたソファに白髪混じりの穏やかそうな小柄の女性、そして額にアイマスクを付けたパーマヘアの気怠げな長身男性。恐らく前者が中将のお鶴さんで、後者はクザンさんだろうと思われる。更に部屋に上座に位置する執務椅子には、帽子の上を鳥が占領している真面目そうな顔で黒縁眼鏡、顎髭が三つ編みなのが独特すぎる人……センゴク元帥さんがいた