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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第6章 縁(えにし)



賞金首になりたくない、これは割と本気の思いである。もちろん海賊になったエースやサボくんに何かあり、助ける為なら仕方がないけど自ら海賊になる気はない。だって冒険は普通の旅人でも出来ちゃうわけで、財宝や名誉に興味もないし好戦的なタイプでもない……。けれどエース達が言うように、この拘りは海賊に似た自由さを感じずにいられなかった


こうして色々話しながらも森を抜け、海辺に辿り着いたら足場の悪い広大な岩浜に到着する。そこは長年激しく波が打ちつけている証拠なのか、波の勢いや高さに合わせて摩耗したり、苔のある岩が多く壁のように海水の進行を防いでいた




コハク「アノ子ガイルノハココヨ!海中ノ岩場ガ凹ンデルラシクテ、ソコヲ拠点ニシテイルワ!」




よく知るコハクを先頭にし、私達はそのまま海面近くの岩場に歩み寄る。そしてコハクが海をキョロキョロ見渡す様子を見上げた私は、カナタの子供らしき海王類を探す為に意識すると、丁度近くに猛スピードで迫ってる大きな気配を感じ取った


更に無意識に発動させれる見聞色の覇気が発揮され、ちょっとだけ先の未来を脳裏に映像で浮かばせる。いきなり真下の海面を飛び出す何かの巨体と、岩場を突撃されて粉砕している岩と海水の被害を受けるビジョンだ……。クゥークゥーと鳴いてるカモメと声、ザバーンザバァンと寄せては返す波の音、潮の匂いと髪を靡かせる風の感覚……


《六式・剃》!!


一見なんて事ない穏やかな景色と自然、けれど私はすぐさまエースやサボくんの体を小脇に抱えて《剃》で空中に飛び上がり、ハッと何かを感じたコハクもその場を離れて翼を広げた。すると次の瞬間、眼前で海面が大きく盛り上がって巨大な海王類の頭部が姿を現す


「グォォアアア゛ッ!!」

コハク「カアアッ?!」

エース「え、なっなんだ?!」

サボ「うおっ?!」


不意打ちの海王類の雄叫びと登場、更に私が一瞬で10m以上も飛び上がったので二人と一羽が目を見開いて顎が外れそうなぐらい驚いていた。けれど今は彼らの反応よりも海王類が肝心なので、意識も視線も其方を注視していみれば、盛大にバッシャアアン!と津波や水飛沫を撒いた海王類が大口を開けて岩場へ半身を乗っけていた。多分7mを超えてる巨体は遠い昔に見覚えがあり、刃物や銃も貫通させない分厚い皮膚、岩場にも突っ込む荒っぽい気性も流石なものだ
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