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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第6章 縁(えにし)



コハク「ンモォ〜!危ナイジャナイノヨ!」

サボ「や、やべぇぞエース!見ろよ、あんな下に海王類だ!俺ら飛んでる、エースの姉ちゃんすっげぇな!」

エース「はははっ、そーだろ!姉ちゃんはいっつも体を鍛えまくってんだ!めちゃくちゃ強ぇーんだぜ?」

「何言ってんの、私なんてまたまだよ?それと君達、喋りすぎると舌噛んじゃうよ?」


エース・サボ「「……!!」」




眼下で急に襲いかかった海王類に、コハクがプンプンと怒ってる中、私が抱えて飛び上がったエースとサボくん達は何とも平和であった。興奮で両目をキラキラ輝かせながら、真下と私を交互に見ては「すげえすげぇ」と褒めてくれるサボくん。そんな友人の反応が嬉しいんだろう、エースも自分の事じゃないのに胸を張って自慢げだ

純粋にそうやって褒められると照れるけど、一応今は自由落下で舌噛むと痛い思いをしちゃうわけで……。だから忠告したら二人が同時に口を両手で覆い、黙り込む姿は控えめに言って癒された。そうして落ちるがままにトンッと着地したのは、岩場に乗り上げたままな海王類───アラウェナ・グレイズ・ザウルスの頑丈な頭上である




「ねぇコハク、この子がそう?」

コハク「ソーヨ!カナタノ一人娘デ、名前ハマダナイワ!」

「グルルルゥ」



私とコハクの会話に合わせ、挨拶のようにタイミング良く鳴き声を上げた海王類。頭上の私達を見上げる瞳は澄んだ海の色、暴れるどころか大人しく綺麗な音色紡ぐ口だが、幾つも尖って生えてる牙は肉食獣のそれである



「そっか……。だったらまずは名前を決めないとね」



そうして何年か越しに出会ったカナタの娘に、私はカナデと名付けた───
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