第6章 縁(えにし)
「よろしくサボくん、エースの姉のっていいます。コハクも君も、エースと仲良くなってくれてありがとうね」
サボ「へへへっ!オレの方こそ感謝だ!」
コハク「どう゛ぜん゛じゃな゛〜い゛!!」
私より身長が低いサボくんの頭を撫でると、一段と笑顔が緩んでいくので可愛らしいし微笑ましい。コハクも相変わらず鳴きまくった
衝動のまま、巨体を屈めてその身長の倍ある翼で私達三人を囲い込む。その時、揃って「おわっ」と声を上げて驚いたものの、囲われる中がふわふわで温かいので心も体も芯までほっこりしたのだった───
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その後、思う存分密着しあって満喫しきった私達は、コハクの案内によってフーシャ村とは別方向の海辺に向かっている。海王類のカナタの子供に会う為だ。その子はエース達にも出会った事が無く、ここら近海を悠々自適に泳いで生活しているそうだ
けれどカナタの種族は海王類の中でも凶暴、屈強な海賊達さえ危険視しているうえに他とは違って調理も出来ない。とは言え、彼らは希少種なのか個体数は遥かに少なかった。故に色々手がつけられない『暴君』と呼ばれ、身長は最大50mと聞くし、一回食らいついたら離さぬ強靭な顎と鋭利な牙がある
そんなカナタ達の種族はアラウェナ・グレイズ・ザウルス、偉大なる(グランドライン)後半に生息域を置いてるはずだった……。けれど野性の頃のカナタがロジャー海賊団を襲い、父さんやコハクと喧嘩友達になっていたカナタ。そもそも海王類には細かな名前は存在せず、その括りから逸脱するほど偉大な種族で、カナタは殊更『らしくない』ほど本能よりも情が優った穏やかな子だったのだ
「……にしても、カナタと番(つがい)の子供が私を探して来るなんてね。しかもその子一匹で海を泳いで来たんでしょう?相変わらずのタフさが遺伝して安心したのは良いけど、その子まで私を探して来たのはどうしてよ?」
コハク「私ガ呼ンダノヨ、野性ニ戻ルニハ人間ニ馴染ミスギチャッテ。ダケド、カナタニ会イニイッタラ、アイツ番ガイルンダモノ!オマケニ『老後は番とのんびり暮らしたい』ッテ!」
エース・サボ「「なんか人間くせぇ海王類だな?!」」
コハク「船長ダッタアイツ(ロジャー)ノ影響ヨ!旅ガ終ワッタラ、ヤリキッタ感満載ミタイ」