第6章 縁(えにし)
だから尚更会うのが遅くなったと腹が立った、この日が初対面だけど気分は既にお姉ちゃんなので。ルフィの可愛いさに姉心を擽ぐられたのだ。そしてブチギレな私と、多少不満げにムスッとふくれっ面なルフィでおじいちゃんに思いっきり怒る
「ひどい、ひどいわおじいちゃん!こんなに可愛い子、今日までずっと黙ってたなんて!!」
ルフィ「そーだそーだ、じいちゃんのバカ!一人っ子だって思ってたぞ?!」
ガープ「う゛っ……すまんかった二人とも!許しておくれ?ほらルフィよ、遠い島のでっかい骨つき肉じゃ!!」
ルフィ「すっげぇ!!オレの肉か?!じゃあ許す!!」
「えっ嘘でしょう?ルフィってば単純……」
しかしルフィは好物を出された瞬間、あっさり機嫌を直してお肉を受け取った。私とルフィに怒られてシュンと落ち込むおじいちゃん、お肉に早速食らいついて喜ぶルフィ、そんな新たな弟に唖然となってる私。それら一連の会話を微笑ましげに見ていたマキノちゃんが、私の耳元でこっそり「ルフィってば可愛いでしょう?」と聞いてくるので、私も思わず可笑しくなって吹き出しながら「うん、可愛い」と大きく頷いた
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その日の晩、私とエースは自分達に当てがわれている部屋にある、長方形の小綺麗な細長い桐箱と向き合った。それは生前の父が私にくれた貴重な贈り物、当時は誕生していなかったエースには一点もない。だけどその理由は決して悪い意味ではなく、「自分に血筋以外で縛られず生きてほしい」という望みがゆえのこと。母に至っては体を気遣い身動きが取れず、私も避難先で迷惑をかけられない。一方私は一時期とは言え海賊船に乗っており、5年も両親に触れていた。故に幼い私には海賊王との繋がりがバレないもので、将来に実用的なそれらを残してくれたらしい
なので「どうして自分には無いのか」と無意識に落ち込むエースにそう伝えると、「ふ、ふーん…そうなのか……」とそっけないフリで両親の想いに安堵のため息を吐いていた