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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第6章 縁(えにし)



何気に今世で出来た初めての友人、しかも年齢が近い女子、普通に生まれ育ってる子……。彼女は私に握手をしようとその手を差し伸べ、私も思わず緩慢な動作で感動しながら握り返す。その掌はタコなんて無いし、全身に筋力も傷跡もなく、私のような訓練の経験や武器を握ってた過去も持たない柔っこい手だ


そんな些細な平穏の断片に触れて緊張する中、おじいちゃんは続いて彼女にしがみついてる子供を指して衝撃的な爆弾を落とす




ガープ「そんで隣にいるのがルフィ、モンキー・D・ルフィじゃ!ワシとは血の繋がっとる孫でもあるが……お前とエースの弟でもある!!」


「えっ……?」


ルフィ「えええっ?!オレのネーチャン?!」


ガープ「そうじゃよルフィ、黙っとってごめん!!お前とは8歳違いの可愛い姉ちゃんじゃ!」




衝撃のあまり言われた言葉が飲み込めず、パチパチ黙り込んで瞬きすること約10秒……。私が唖然としている隣でルフィが度肝を抜かれ、マキノも「あらあら」と手を口元に当てながら全員が大事な話に驚いて


まさかいきなり新たな弟を紹介され、今まで知らされなかった家族……おじいちゃんの孫で、私とエースの血の繋がらない姉弟がいたなんて。そう内心で呟きながら漸く理解し、ちょっとずつ心が落ち着いたところで、ようやく喉から「はぁあああっ?!」と力の限り絶叫しちゃった私は悪くない───











言うまでもなく、私はマイペースすぎる祖父へとブチギレた。だってこんなに近くの村で弟がいるのに、今の今まで知らされなかったら誰でも怒るだろう。しかもルフィの歳は8つ差なので4歳、両親はおらずに赤ん坊の頃から預けられて育ったらしい。だからルフィにとってはマキノちゃんが姉と母親代わりであって、村長さんは最も身近な保護者の立場であるらしい


だから今の今まで黙ってた祖父には思わずブチギレた、それもルフィ達が失神しないように調整させた覇気まで纏わせて。するとルフィから満面の笑顔で言われたのだ、「じゃあ今日からは毎日来んのか?オレはモンキー・D・ルフィ、よろしく姉ちゃん!」と。にししっと嬉しそうな笑顔になった義弟は実に可愛く、私は「よろしくね」と返事をしながら指通りが良い髪をすくように頭を撫でた
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