第6章 縁(えにし)
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それは私が13歳でエースも7歳になった頃、休暇のおじいちゃんに連れられた私は二人だけで下山し、海沿いにある小さなフーシャ村へとやってきた。村には高熱を出して以来、治った後のお礼をしに行ったきりで一切近づいた事がない。だって彼らは山賊も海賊も嫌っているし、関わってほしくなさそうな様子だったので。だから進んで関わらないよう努めていたけど、如何やら最近村では賊の被害に困ってるらしい。そこでおじいちゃんは私にその村の住人達と仲良くなって、用心棒をやるよう頼まれたので顔合わせに向かったのだ
すると村長であるウープ・スラップさんのお家を訪問する道中、私と年齢が近そうな少女と小さな子供に遭遇した。少女は新緑の髪をワンレンに纏めて清楚な白のワンピースを纏い、そんな彼女に手を繋がれる子供は無邪気な笑顔でぴょんぴょん跳ねて「マキノ、マキノ」と呼んでいる。多分彼女の名前がマキノさんでとっても大好きなんだろうね、二人は姉弟なんだろうか……とっても仲良さそうで随分可愛らしい。それに弟くんと思しき子供は身長は低くて、ちょうど甘えたがりのやんちゃな年頃だ
だから私もすっかりほのぼのしちゃって、なんて微笑ましくて穏やかなのかとじっくり見つめてしまう。するとそんな私に気づいたのか「どうしたんじゃ?」と不思議そうに声をかけ、そのまま視線を辿った先に二人を見つけたおじいちゃんの顔が一気に満面の笑みに変わる
ガープ「おお〜、さっきぶりじゃのぅマキノ!ルフィ!ちょうど会わせてやろうと思ってな、こっちに来てくれ!」
マキノ「あら、ガープさん!こんにちわ!」
ルフィ「ゲッ、じーちゃん……」
片や花が咲くような笑顔でお迎え、片やさっきまでの可愛らしさが嘘のような嫌がりようで。きっと弟くんはおじいちゃんの事が苦手なのだろう、しわくちゃな顔でイヤイヤ感がダダ漏れだ。けれどマイペースメチャクチャおじいちゃんはそんなの気にしない、何なら「来てくれ」と言いつつ私を引っ張ってその姉弟の元に歩み寄る
ガープ「さてよ、この子はお前より二つ年上のマキノと言ってな。ルフィの姉兼母親代わりとなって、世話を任せとる村娘なんじゃよ」
マキノ「こんにちわちゃん、気軽に呼んで仲良くしてね?」
「よ、よろしくマキノちゃん……」