第5章 鬼の子達よ、達者にあれ
痣が出てなくて良かった、そう思って心底安心していたある日、ダダンさん達との棲家から離れた平地で鍛錬していた私達の元に、その日も意気揚々でだらしなく緩んだ顔のおじいちゃんが現れた。すると本日も元気なエースが、持っていた鉄パイプでおじいちゃんを指して「今日こそぶっ倒すからなジジイ!」と強気に勇んで、そんなエースにおじいちゃんが快活に大笑いする
ガープ「がはははっ!そういうセリフはワシに一発当ててから言えい!でさえ手加減しておるワシと何とか引き分けとるんだぞ?!」
エース「ウ、ウルセェ!覚悟しろ!!」
おじいちゃんの言葉や笑い声は揶揄ってるように思えるけれど、その表情は生意気ざかりの孫を可愛がるそれのまま。だからかエースも言い返しながら飛びかかって、その鉄パイプを振り下ろすけどあっさり受け止めてしまったおじいちゃん。そしてそのままエースの体に片腕を回し、潰しちゃう勢いで抱きしめると摩擦になりそうなほど頬ずりを始めた
エース「ぐえっ…ちょ、イデデデっ!!ふっざけんなよクソジジイぃぃ!!」
ガープ「おぉおぉ、エースよ!そんなにじいちゃんに構ってほしかったんじゃな!!じゃがすまんのう、今日はの才能を見込んでお勉強させに来たんじゃよ〜」
エース「ぐっ、変なカイシャクすんなよっ……ぐるじぃぃ……」
「ちょっ?!おじいちゃん一旦ストーップ!!エースが締められちゃってるじゃない!離してあげて?!」
話してる間にとうとう気絶してしまった不憫な子、エースの口から魂が抜けて白目を剥いてる姿に私は血相を変えて叫んだ。だけど元凶の筈のおじいちゃんは一言、「……なんじゃ、こんなもんで気絶するとは扱きが足りんかったようじゃな」って言って呆れてて
とりあえず私は、今までで一番早い速度でおじいちゃんの腕からエースを救出するのだった───