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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第5章 鬼の子達よ、達者にあれ





可愛い弟が曰く、私の鍛錬の方がおじいちゃんのそれより遥かにキツいらしい。祖父の修行ではひたすら実戦的な組み手を行っており、軍艦や建物を砕いちゃうような拳骨と勝負するシンプルなものだ。そこには遠慮や加減なんて無いけど、本格的な戦闘の勘を身につけられる方がエースの性に合ってるようだ


その一方、私の修行はと言えば日々の習慣の繰り返しだ。柔軟体操と筋トレ、体力重視の走り込みに始まり、罠を仕掛けた山道を走って命懸けの回避力アップはもちろん継続中。しかし全集中の呼吸の常中が身についてからは更に難易度を上げており、重さ1トン杉の木並の細い棒(おじいちゃんに貰った)使った素振り、剣舞と型を発動させる特訓や、泥水が入った湯呑みを使った反射神経を鍛える遊び、ビックラヒョウタン(最長3m強度2倍の瓢箪)を全集中の呼吸で破壊する


これらを毎日欠かす事なく1000回10セットで行い、回避練習については朝昼晩の1回ずつ、瓢箪は毎日一回ずつのメニューを組んでいる。エースも今は500回5セットを目標にし、将来海賊になれるようにと何処かで貯金活動をしながら励んでいる。そんな私達の特訓法を見た時、おじいちゃんの鋭い両目がキランッと煌めいた


そこからは怒涛のガープ’sブートキャンプinコルボ山なる地獄が幕が開けた。気合い十分過ぎて以前より頻繁に休暇を取ってるらしく、溜まりに溜まった有給を私達の訓練に充てて来る。基本は1対1での組み手をやるんだけども、時々湯呑みのゲームや罠抜け競争なんかも付き合ってくれて……。その度に私もエースもボロ負けするから姉としては情けなく、悔しくて、せっかく前世の精神があるのに体が追いついてくれない事が焦燥と不快を煽っていた……。だからもっと鍛錬を頑張り続け、今世の肉体の丈夫さに感激しながら自分にちょっとずつ現れた


いつしか体がしっくり馴染むような感覚が生まれ、前世で学んだ反撃・受け身がスムーズになって戦闘に慣れ始めると、おじいちゃんが段々本気を出すようになって負け続けてた日々から徐々に引き分けに。当初は手加減されても体力・精神が根こそぎ使い果たされ、エースと並んで怪我とタンコブと泥だらけたったのに。今では前世の痣者だった状態よりも強くなってる気がする、と言うか、全身に痣が出ていないか丁寧に調べた


……結果は努力の勲章も綺麗に消えて痣も発現していない
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