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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第5章 鬼の子達よ、達者にあれ



「……いいえ、母さんは父さんもエースも心の底から深く愛してた。だから世界を敵にしてでも命懸けで産んだのよ、私をお姉ちゃんにしてれくれた。名前は父さんが決めてたの、母さんはエースに名付けて私に抱かせてくれた。遺言は『二人で助け合って生き延びて』、愛してるって何度も伝えて喜びながら亡くなった」


エース「?!!」


「だから不安なら何度でも伝える、私達3人は貴方をずっと愛してるわ。どんな財宝より尊い子……唯一無二の大事な弟、私達は親子が生きてた証……」




貴方を全身全霊、ずっと愛してる。目を見開いて唖然としている弟、泣き止んだ小さな体躯をそう囁いて抱きしめたのだった───











その日以降、エースの中で父親に対する考え方が改められたらしい。まずはダダンさん達に対する態度、警戒心を剥き出していて冷たいものから、ほんのちょびっと目つきと声音が和らいで。言葉遣いは相変わらずの呼び捨て、そっくりなぐらい乱暴な所は変わってない。だけどご飯の調達の時に私とエースの分だけでなく、しれっとダダンさん達の分を用意してたり、私に言われて渋々家事のお手伝いをするようになった


そして毛嫌いどころか血筋でさえも否定した父さん、ゴール・D・ロジャーの事は「まぁ一応……ろくでもねぇけど父親だしな……」と、舌打ちしながら不機嫌に認めるようにはなって。更にはガープおじいちゃんが「エースもやっと5歳になったし、修行じゃ修行!」と私やあの子を扱き初めて早めの反抗期を迎えた



と言うのも、祖父は前世の師範より人間をやめたレベルで強い。私が全集中の呼吸や全ての型を披露をしてみれば、「さすが彼奴の娘じゃわい!鍛えがいがあるのう!」と喜んで死なせる勢いで扱かれて……。エースに対しても「男に生まれたなら強くなれ、姉ちゃんを助けられるぐらいにな!」と感動させつつ私以上に過酷すぎる扱きっぷり……


そんなおじいちゃんの望みは一つ、私やエースを『立派な海兵』にさせること。けれどエース自身は将来、海賊になるのが夢だと言っている……。父さんよりも偉大な存在、悪名ではなく誰かに好かれる海賊に……。当然、そんな言葉を聞いたおじいちゃんは大噴火……。エースに対する扱きがキツいのはそれもあり、私はやがて海兵の体術『六式』や三つの『覇気』と呼ばれる戦闘術を学んだ───
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