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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第17章 冥王との対面と、義弟との別れ





は激怒した。必ず、かの、だえだえと鳴いて甘い汁を啜る肥えた豚野郎の王族達を、ぶん殴ってやろうと決意した。は支配者の思考が分からぬ。はとにかく、ずっとはらわたが煮えくりかえるような激しい怒りを胸に、偉大なる航路(グランドライン)の海面を文字通りひた走っていた。六式・月歩によって成せる技術であった。


そして何故、このような荒業をするのかと言うと、ダダン一家から電々虫で悪い報せを受けたからだ。義弟・サボが実家に自ら帰ってしまい、海賊になるべく出航するも、その日にドーン島へ現れた天竜人から大砲を受けた。実際にはもっと賊達と戦ってコテンパンに圧勝したり、サボの父親が権力を引っ提げてサボを帰らせようとしたり、不確かな物の終着駅(グレイターミナル)が炎上したり、ダダンが子供達三人を迎えに行って、エースとルフィと共に泥と煤だらけで帰ったり。大砲のせいで船が大破したが、サボは武装色の覇気が使えたお陰でほぼ無傷。エースとルフィとダダンも無事だ。


けれどその事件のせいでサボの精神はボロボロだった。非道な行いを躊躇わない貴族の価値観、そのせいで人がいるのも構わず燃やされてしまった不確かな物の終着駅(グレイターミナル)の惨状……。挙句に天竜人の船から大砲で撃たれて命を落としかけたサボだが、何とか覇気で身を守れても体を痛め、肝心の船が壊れてしまい、港は危険だった為に離れた場所から陸に上がって避難した。その時、サボが炎上事件の日に出会ったというとある男と再会し、男の気遣いでアジトに帰って来れたらしい。


……と言うのを、実家からの電々虫で聞き及んだは、戦闘中で電話に出たばっかりに殴った相手を地中に埋めるというお茶目な失敗をしてしまった。因みに今回の任務は上司の命令によるものではなく、自身がおや?と怪しんだ海軍支部に突撃しての仕事である。(なお、報告だけはしっかりだらけきった上司にしている為、「行っておいで〜」の言質はある。)


そんなわけで偶然にもは東の海(イーストブルー)に来ており、とある海軍支部の報告書改竄疑惑が正しいかどうかココヤシ村に直接潜入。するとなんと魚人の海賊がココヤシ村を支配しており、実は電々虫の番号を交換していたジンベエに連絡すると、彼らに怒り心頭なのかすぐに行くと言う。
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