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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第17章 冥王との対面と、義弟との別れ



船乗りだったら誰もが知ってる船の妖精、クラバウターマン。レインコートに小槌を持った小さな子供の姿をし、船員に危険を知らせることもあると言われる神秘の存在……。レイリーさんはロジャーがオーロ・ジャクソン号のソレを認識し、私が一部を所有する事をソレが望んだのだと聞いたという。しかもオーロ・ジャクソン号の船体はアダムと呼ばれる珍しい木材・宝樹を使用し、宝樹アダムは「戦争を繰り返す島」でずっと立ち続けられる丈夫な樹木らしい。


しかしそれほど素晴らしい素材でアクセサリーを貰ったものの、乗船していた2年未満でクラバウターマンと出会った記憶がない。単純に忘れてしまっているのか、そもそも面識が無かったのか……。船から別物に加工されても、船長の子供ってだけの私達の元にいたがるなんて謎である。そうさせる覚えが一切無いので、ヤバい価値の物をほいほい渡されて最終的にはドン引きだ。


……と言うか、こうして私達の将来を想って私に貴重品や縁起の良い贈り物を準備出来たのだったら、せめてエースにも手紙で直に愛情が伝わる言葉を残してあげてほしかった。 


『愛してる』って想いを両親がきちんと届けてほしかった、私越しじゃなくて両親の気持ちを伝えられる術が欲しかった。


私はエースのお姉ちゃんだから、両親の代わりに育てられても『父親』『母親』にはなれない。姉では親の温もりまでは与えられない。既に死別した相手なので文句を垂れてもしょうがないけど、ダメな父親をぶん殴っていいならアルゼンチンバックブリーカーをお見舞いしたい。


改めてこの日、そう思ったのだった。──────











そんな海兵姉が暴走していた一方、故郷の実家の方はというと三兄弟が災厄に見舞われていた。
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