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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第17章 冥王との対面と、義弟との別れ



無意識にロジャーの二児の存在を仄めかしてしまったけれど、レイリーさん達は私にとって敵ではないし、恐らくエースが将来その名を挙げればすぐ分かる。相変わらず女性と共に動揺を感じられないし、穏やかな表情が既に存在を確信されてる気がする。



レイリー「ああ、その通りだ。せめてもの餞別というやつで、刀も高級な物を用意していた。刀の素材となった物も海楼石に加えて鉄もただの鉄ではない、ワの国の太陽に一番近くて一年中陽光が射す山で採ったものなんだ。他の海楼石の武器より縁起も良さそうなかんじだろう?」

「ええ……まさかそこまで考えた物だったとは……」



まるで只の縁起物のように語っているが、それは前世で猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石と呼ばれた「陽光を吸収した鉄」ではないか。もしやこの世界では人喰い鬼がいないのもあって、そういう力が存在しないのだろうか。前世の愛刀と似てるなぁと思っていたけど驚いた、此方でもそのままで作られていたとは。私はその事実に唖然としつつ、込められた想いを噛み締めながら腰に刺さった二口の刀剣に手を添える



レイリー「それと羽織の方なんだがね、素材は海底にあった魚人島という所の王族から貰った布だ。肌触りが良くて濡れても乾きやすい、耐火性と防菌・防カビに優れた代物だ。あそこの国王とは現役の頃から長い友人なんだよ」

「やっぱり高級な布だった……王様から貰った物だったのね……」



またしても爆弾発言だった。今や魚人島は白ひげ海賊団のナワバリになっているが、彼らのライバルだったロジャー達とも友人らしい。ピースメインの海賊達がわりと好きな方なのだろうか、魚人のジンベエさんも仲間と海賊をやっているのだ。魚人にも色々考え方があるのだろう、人間を受け入れてくれるごく少数だろう魚人達と、人間を憎んで嫌っている数多の魚人達。友達になれるなら仲良くなりたいな。



レイリー「あとは髪飾りなんだがさすがに高級品じゃなくてな、や私達限定でとっても特別な代物なんだ」

「私にとっても特別な……?」

レイリー「そうとも。髪飾りの花は母親ルージュが作った造花なんだが、止めの部分はオーロ・ジャクソン号の一部を使っている」

「!!」



またもや衝撃すぎる私物の素材を聞かされ、私は今度こそドン引きしたのである。
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