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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第17章 冥王との対面と、義弟との別れ





?「今の私はレイさんという名でコーティング屋を営んでいるが、本当の私はの名前はシルバーズ・レイリーだ」

「はぁぁあ?!」



その名を聞いて思わず椅子を引くように立ち上がった。それと同時に遠い過去の記憶の彼と、現役海賊時代の手配者の顔を思い出し、目の前が本物であることを確信する。



「冥王……、海賊王の右腕……、貴方こんな所に隠れていたんですか?!」

レイリー「はっはっは!流石に海軍も気付きはしまい、マリンフォードの間近だからな!それに海兵になった懐かしいお姫様も見かけられた、やっぱりこの場所を選んで正解だったらしい」

「ちょっとやめてよ、お姫様って柄じゃないって!」

レイリー「我らが偉大なる船長の娘だ、君は我々にとって小さなお姫様で明るい『華』だった」




相当恥ずかしい呼名をされたが、かつてオーロ・ジャクソン号に乗船中は皆がそう呼んで接してくれていたらしい。そんな甘々で贅沢そうな生活覚えてないし、似合わなすぎて笑えない。平然と言えるこの人が大概なのか?と言うか、女性店員も海賊王の子供の存在を知ってるようで、驚いてないし普通に飲み物作って笑ってる。

そして父親の相棒だった男は私の腰元、上半身、頭部へ視線を動かして行って微笑ましげにその目を細める。



レイリー「ところで、今身に着けている羽織と髪飾りなんだが、その素材については何か知っているかね?ロジャーが自ら仕立てさせて渡した意味、その意思を」

「……そう、ですね。素材については何も聞いてないけど、まぁ見るからに高級なのは確かでしょう?仕立てさせた理由も直接聞いた事は無い、けれど何となく察しはついてます。秘密はいずれ世界中に必ずバレてしまう、その時はきっと不特定多数と一生戦っていかきゃいけない。大切なあの子を、義弟達を守らなきゃいけない」



これらは私に『必ず生き続けろ』と訴えている、両親の生ける意志なんだ。それをエースにも残さなかった理由はきっと、胎児の性別を確かめられなかったことと、当時5つで罪を理解して背負わなきゃいけない私と違ってエースを形だけでも自由にするためだ。その為に私は家事を教わった、他所の海賊団では兄弟のあるべき姿を見出だした。嗚呼、なんて重苦くしくて途方もない無償の愛か。
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