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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第16章 ショップ壊滅事件と王下七武海



──────それに仮にも神を宣う天竜人なら、必死に泥水啜って生きてる私達を蔑むぐらいお綺麗で、汚点が微塵も無いと豪語する凄い存在だったら。それはつまり在るべき姿とは、奴隷も下界の置き者もコネクションも不要のはずです。完璧と言い切るなら即ちそういう事だと理解しています、全員が不思議に思っておりまして、今回の件で我々の危険さと不潔さが伝わって何よりです!──────



実際はこれを何倍も丁寧に敬語と綺麗な言葉に変換し、ありったけ怒りと侮蔑を込めた最高の皮肉、まるで無害で純粋な好意を持つような微笑を浮かべて口にした。これぞ渾身の本音と建前。まるでパフェに砂糖やシロップやホイップクリームをぶっかけ、更にチョコやカスタードを盛り付けたように。上辺だけは褒めちぎった言葉に天竜人はご満悦のようで、差別も排除も大好きな奴らは狙い通り『奴隷制度を嫌悪』する……。


しかし流石に世界政府や選ばし五人の天竜人、五老星は名誉の為にも人身売買そのものを禁止せざるをえなくなったが、真っ黒な業界で暗躍は期待出来そうにない。とは言え、これで暫くの間は権力者達も好き勝手できず、私とおじいちゃんの仕事は罪ではない。そういった過程を得ての後日、世界新聞では事件の一部始終だけが掲載されたのだ。因みに、私達はあくまで「偶然だった」の言い訳を貫いており、海軍や政府から「そんなわけあるか!!」と言われているが……



「「当時は怒り心頭だったし、一切記憶にございません!!」」


「「マジでありえそーーーっ!!」」



私達は頑として『わざと』だなどと言わなかったし、苦し紛れの言い訳が世界中に寧ろ納得されてしまった。結果は良かったけど解せぬ、その反応は私達を問題児と思ってのリアクションか。世界への意趣返しにしては些細でしょーが。





閑話休題(そんなけで)

その事件からほんの1ヶ月後のある日、海軍本部で王下七武海を集めた七武海会議が開催される事になった。しかし例年の会議は七人全員が集結する事はないらしく、彼らは個性的すぎてセンゴク元帥も三大将も、おつる中将も大層参っているらしく、祖父は言わずもがなの頼りにならず。そこで個性の火薬庫と呼ぶべき七武海の会議室に招くに相応しく、祖父を叱れる人物に白羽の矢が立ったらしいが……



「はぁ?嫌ですよそんな子守役みたいなの」
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