第16章 ショップ壊滅事件と王下七武海
私の説得を気楽に信じて協力する事になったおじいちゃんは、物凄く嬉しそうに準備運動をするほどで。やっぱり立場が面倒なだけで色んな不満を持ってるらしく、「ワシは何処を壊そうかの?」「ここなんて壊し甲斐があるんじゃないか?!」と話すのだから笑いものだ
と言うわけで、私達の任務は大捕物へと独断変更させてシャボンディ諸島に群がっていた人攫い集団は勿論、オークション会場に潜んだ人道に背いた悪行三昧の海賊達を纏めて一斉に逮捕する。あくまで偶然おじいちゃんと私が本気で殴って、投げて、蹴って吹っ飛んで行った奴らが天竜人を、捕まっている被害者を、騒然とする島民達や普通の建物を綺麗に避けて一直線。建物内の人間の気配を見聞色で確認しつつ、そのまま海賊達を命懸けの体当たりで建物を破壊させていく
部下達は天竜人を被害者達とは全く別の場所へと非難させ、誰も奴隷にされないように天竜人を人集りから引き離した。現場は当然混乱していて破壊された瓦礫や木片のせいで空に煙が上がっていき、そこかしこから海賊達の悲鳴や怒号が響いていた
そして結局、私達が暴れ回った事でシャボンディ諸島のヒューマンショップは全て壊滅し、人攫い集団と海賊達を大勢確保し、魚人をはじめ多くの種族や人間達が混乱に乗じて大脱走。なので騒ぎが治った頃には大変お怒りだった天竜人が私や祖父をその場で射殺しようとしたが、その場に跪ちた私は自分でも気持ち悪いほと極上の猫撫で声で言い繕った
─────ああ嫌だ、ご先祖様の威光で神様気取ってる天竜人じゃないですか。実はオークションの売人達は忠誠心の無い奴隷達を売ってる悪徳業者で、私達は彼らが御身と聖地を穢すことが無いよう徹底的に罰しただけですよ?……えぇそうです、最早私達下界の者は奴隷の価値すらありません。どうか貴方達は故郷(マリージョア)で自粛してて頂戴な、下界はこの通り野蛮で危険で出歩く事さえ汚らしくて嫌でしょう?私達もマリージョアに行きたくありませんし、
……はい?だって私達が生まれて死ぬべき場所は下界ですよ、そもそも私達が奴隷になる必要性すらないと思います!……いえいえ、考えて下さいな。マリージョアは貴方方のご先祖様の代から長く住まう場所、汚物の私達が聖地を踏んで生活に垢塗れにするのは万死に値するのでは?──────
