第15章 昇級と新部隊、結成
*
偉大なる航路(グランドライン)の新世界。とある無人島ではその日、偶然立ち寄ったそこで顔を合わせる事になった白ひげ海賊団と赤髪海賊団が宴会を開いてどんちゃん騒ぎを楽しんでいた。彼らは敵同士ながら互いと戦争を起こすつもりはなく、時にこうして航海中や上陸先で遭遇すると、まずは挨拶に船長同士の覇王色をぶつけ合って何だかんだといつも宴会に発展するのだ。
そうなると両者船員達はハイテンションで敵も味方も関係なく、隣にいる者同士で誰もが肩を組み合うと何重もの列を成して大きな円となり、その中央では赤髪海賊団の歌姫・ウタが『ビンクスの酒』を歌って大盛り上がり。
それを少し離れた所で見守っている両者の船長、シャンクスとエドワード・ニューゲートは互いの前に巨大な酒樽を置いて酒盃を交わしていた。彼らはお互いの旅路に経験して来た面白い話、楽しかった場所を大笑いしながら語り合っていたのだが。その中の一つでフーシャ村の話になってウタとルフィの勝負を話していて、ふとシャンクスが「そーいえば」と懐かしい少女の舞い込んで来た新情報を思い出す……
シャンクス「そういえば白ひげ、アンタたしかロジャー船長の娘を匿ってたんだろう?」
白ひげ「……あん?てめぇがなんでそれを知ってんだァ?」
シャンクス「再会したのさ、東の海(イーストブルー)の辺境でな。ほんの2年前のことさ、今はもう15か16ぐらいだったはずだ」
ぐいーっとその手には小ぶりの酒樽を傾けて煽るように飲んだ白ひげだったが、真相を知っているらしいシャンクスに酒を飲むのを止めた。そして己より遥かに低い背丈と齢で恐れず見上げてくるその若造を、白ひげが威厳のある鋭い目つきで睨みつけるがシャンクスにとっては何のその。直接会ったからだと朗らかに笑った彼は、「だからあの子の存在は漏れてない、安心してくれ」と言ってとある日の世界新聞の大きな切り抜きを見せた
シャンクス「そんでよ!この記事見たか?英雄ガープと華姫、海賊団との交戦で島中のヒューマンショップを破壊!天竜人にも一般人にも被害ゼロだ!」
ジーーーーーーーーーッ……
白ひげ「……グララララッグララララララッ!!あァこれか!確かに見たぜ!」
彼にとっては随分小さ過ぎるせいか記事の間近に顔を近づけ、眉間に深い皺を寄せてじーっと写真を見ること数秒。
