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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第14章 故郷の滞在日誌



そんなわけで今日も三人漏れなく疲労困憊の瀕死にさせてしまい、海沿いの岩場に仰向けで横たわる姿に苦笑い。ぜえぜえはぁはぁと激しい息切れで上体を上下させ、時間をかけた水分補給を心掛けさせ、汗や海水で全身を濡らしたままはいけないからとタオルも与え、束の間の休憩タイムを設ける事にしたのだ。こう見えて心苦しく思っているのだけど、ギリギリ耐久強化訓練は肉体だけじゃなくて実戦で折れない精神力も培えるのだ



「頑張って耐えたね、大丈夫?」

「「たいじょばねぇ〜……」」



自分が作り出した惨状にしゃがんで喋りかけてみると、脱力しきったヘロヘロの声で苦悶の返事をするとダウンしたので、ルフィにエースにサボの順で小さな頭を何度も撫でて労った。そうして倒れ込んだ三人の体力と息遣い、やる気が戻るまでは私もそばに座り込み、温かい日差しと潮風の匂いに心を和ませていると。次第に遠くから近づいてくる大型な気配達が二ついるのに気づき、海水の音や波の動き、潮風に乗って五感や見聞色がその存在を感知する。一つは海中を泳ぎながら、もう一つは上空を舞って猛スピードで絶近していて……


嗚呼、この気配はなんと久しい。感じ取った懐かしい生き物の気配にすっと立ち上がった時、背後に急降下してきた大きな真っ黒い影が鋭い爪を持った三本指の足で私を捉える。「ん?!」ぐわしっと遠慮なく体を握りしめてきて、突然捕まった事に驚いていれば降下した勢いのまますっ飛んで。「ね、ねえちゃあああんっ!!」と叫ぶ弟達の悲鳴を聞きつつ、呑気に捕まったまま「あらまぁ」と思っていたら吹っ飛んだ先の海面にザブンッと水飛沫を上げて現れたもの。それは海王類のゴツゴツとした凹凸な尾鰭、キメが荒く先端がとんがっているので普通の人間は刺さると即死しそうだ……


しかし吹っ飛びながら見て気づいた私は、自分を掴んでいる足を両手で力を加減しながらこじ開け、衝突する時に凸凹の先端を挟むように足で着地した。ズシンッと軽い衝撃(津波が起こった)があったけれど、もろに波を被ったエース達は呆然と頭に海藻をつけてるだけなので問題ない。私は改めて自分を足で掴んだ真っ黒い鳥を見上げ、足元にいる巨大な海王類を見下ろし、ニッと口角を上げて笑った


「カナデ!コハク!久しぶり!」


滞在3日目にして、懐かしい動物達と漸く再会を果たした
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