第14章 故郷の滞在日誌
それが私達姉弟にとって、どれだけ救われる言葉だろう。ルフィもサボも裏表が無く、素直だからまっすぐな想いを信じられる……。だから海賊王の子供と知った今も間をおかず私達の存在を、今までの思い出や絆を肯定してくれたこと、それら全てが目尻に涙を浮かべるほどに嬉しかった……。私だって世間の憎悪や呪怨を聞いて、精神的に荒まなかったわけじゃないから……。思わず怪我で包帯やガーゼまみれだった弟達を抱きしめた
「ありがとう、私はずっと貴方達を愛してるよ」そう言った私に弟達は驚いた後、ルフィとサボが照れ笑いでエースが耳を真っ赤にしながらそっぽを向いて、私の抱擁を受け入れてくれた───
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それから翌日。昨夜は私達の暴露と感動的な抱擁の後に寝落ちてしまったけれど、だからと言って新たな修行の指導が緩んだわけがなく。私は今日も今日とて弟達が最高に可愛いと思いながらも、今朝から愛の鞭で容赦なく頑張る三人に厳しくした。何せ私は時間が無いのだ。明日の朝にはこの島を離れて帰らなければならず、その後も彼らが自分達だけで出来るようにしなくては……
そう思って張り切った私は最終日だから一層熱が入り、覇気を修行するエースに手加減しつつもハンデをもうけ、私が片手の武装色無しデコピンで対応しながら何戦もして瀕死にさせた。昨日は私が武装色を纏った手刀で一山地面を叩き割った時があり、小さな地震さえ起こしたそれに顔が顔が青ざめるぐらいの恐怖を味わい、おかげですぐに反射的な武装色の防御と見聞色を身につけてくれた。(余談だが、しっかり解説時間と段階を設けた事を除いて私が覇気を身につけた時と同じ指導法である。だから実践はおじいちゃん式だ、だって他の見本はないんですもの……)
次いでサボには機能回訓練だった反射を鍛える水掛けと、体力や脚力を活かす鬼ごっこ訓練を一緒にした。結果は当然、言うまでもなくサボが薬湯まみれになったし、鬼ごっこも一瞬なので絶叫しながら逃げる背中を追いかけ回す鬼畜な状況と化した。更に私が呼吸で瓢箪を粉々に粉砕すると、顎が外れるぐらいに大口を開けて呆然としていた
最後にルフィにも海の浅瀬で運動を付き合い、呼吸を細い竹の棒で確保しながら重くなっていく体を支えて潜水したりした。全集中の呼吸や体の動かし方も指導したけど、ルフィは飲み込みが早いようで今後の心配は無さそうだろう
