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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第14章 故郷の滞在日誌



すると、途端に動きを止めて恐怖で狼狽える大蛇。しゅるしゅると出していた舌も仕舞い込み、すっかり威勢を無くした挙句に大きな音と土煙をあげて倒れた姿に、エース達は戸惑いながら私を見上げた。そして私が初めて見せる物騒な雰囲気に呆然となった三人の視線を受けて、怯える様子がないので頬を緩かに微笑んだ




「……これが王者の資質を持った者と言われる力、覇王色の覇気。相手を怒りや殺気で威圧したり戦意を削ぐ、浴びれば並の人間や生物は怯えて気絶してしまう。だからこうして誰かを守り、戦う必要がなく敵を追い払うことも出来るのよ」

サボ「これが覇気……覇王色……。姉ちゃん使えたのか?!」

「ん、まぁね……。おじいちゃんに扱かれて真面に制御できるようになったよ、昔は嫌なことがあると出してたみたいだし……」

ルフィ「すっ、すげぇぇええっ!!かっけぇよ姉ちゃん!!さすが海賊王の、」

エース「あっこら!黙ってろルフィ!!」




慌ててルフィを黙らせようとするエース、だけど無理矢理口を塞いでももう遅い。驚いたサボに続いた私の申し訳ない話にルフィが目を輝かせ、何故か父さんの呼び名を持ち出したのだから。だけど、一体どうして、と把握してそうなエースを見れば、当人は気まずそうな面持ちで視線を晒したのだった












どうやらルフィとサボは私達の正体を、海賊王との血の繋がりを知っているらしい。しかも三人には長女の私がルフィを弟認定し、サボも可愛がっていたから、ほぼ兄弟も同然で「隠し事は無しだ」という決まりがあるらしい。それでもエース本人が自ら秘密を明かし、気を許したというのだから驚いた。しかもサボは初対面の印象どおり貴族の生まれだったようで、家族の差別思想や身分に縛られた人生に嫌気がさしてここにいる




「そう……。サボとルフィは私達が海賊王の子供だって、罪人の身内が生きてるって知ってどう思う?」

エース「!!」

ルフィ「どうも思わねぇ!!オレはエースとサボと姉ちゃんが大好きだ、海賊王の子供とか罪とか関係ねぇ!!」

サボ「オレもそーだ!エースと姉ちゃんは何もしてねぇし、悪くねぇじゃんか!」




激しい修行を終えたその晩、三人の怪我の治療を済ませた後に膝を突き合わせたこのやり取り。二人は私達が必要なのだと、そう言ってくれた
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