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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第14章 故郷の滞在日誌



この大蛇はコルボ山の山脈内でもここら一体のボスで、あっさり人を丸呑みできる巨大なアナコンダだ。山脈の森の木々達は普通の大木よりも幹や枝が太く、何倍も高く成長するし、色んな食物が自生するおかげで危険な動物が沢山いる。因みにアジトがある周辺のボスは普通の何十倍も大きい大虎らしく、時々彼らの間で喧嘩が勃発しては動物が逃げていくので自然界も大変らしい


兎も角、そんなボスの一匹であるアナコンダが私の真上でぱっかり大口を開けて現れたようで、三人が絶叫を上げると同時に(ここの種族にある)猛毒が宿った鋭い牙で襲いかかって来た。しかし、威嚇音を上げて噛み付くスピードはトロすぎる。目の前で固まるルフィとサボ、エースを抱えて避けると奇襲が失敗したアナコンダが顔から地面に激突。「〜〜〜っ!!」音にならない悲鳴を上げてすぐに鎌首を擡げ、私達を食らおうと殺気や怒りでギラついた目で睨みつけてくる


私はその場に抱えていたエースを降ろすと、あえて持って来た鉄パイプではなく地面に落下していた手掴み出来る枝を手に取ってみせた。森の外ならギリギリ掴める太さは十分だけども、この山脈では細っこい。そしてまっすぐ視線を合わせたままの大蛇に片手で構え、緊張状態で身体を強張らせている三人に言葉を続ける




「……まずはさっき、私は見聞色で大蛇に襲い掛かれる未来を見た。次に直接見なくても姿を認識、攻撃されて回避するのに成功したの。これが鍛えた見聞色の力……そして、続けて物を投げられると、」


キシャアアアアアッ


「武装色・硬化」




私の最後の言葉通りに腹を立てたアナコンダが尾を使って周囲の木々を幾つも引き抜き、器用に掴んで私達の方へと力一杯に投げつけてくる。これに息を呑んだエース達だったけど、武装色を使って黒を纏った枝が何十倍も長太い大木を一振りで粉砕すれば、小さな声で「えっ」と一緒に驚いて……




「私の武装色だと武器の汚れを払うより優しく振るってこの威力、硬化状態を鍛えれば体にも武器にもああして黒い鎧を纏える……。そうなれば今みたいに腐って落ちた枝も、それ以外も立派な武器や防具になる。それと、この機にもう一つ……」




攻撃を悉く防がれて益々怒った大蛇が再び私達を飲み込もうするので、私も大蛇を睨んで本気の威圧感を浴びせて放った
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