第13章 里帰り
ウォーターセブンは島の中央に聳え立った巨大な噴水があり、そこから流れ落ちていく水は幾筋もの川や滝となって全体の水路を巡回していく。巨大な噴水の真下には円形状の中心街が多く密集しており、下の段との境界には番号を書いた大きなコンクリートの壁、正面を避けて広大な平地にも街があるのが特徴だ
私はおじいちゃん管轄の戦艦で近くまで来てから小舟を借り、降りさせてもらうと一旦ウォーターセブンの中心街で買い物がてらに観光した。航海中の食材と飲料はもちろん、調理器具を始めとする船内雑貨、修理に使える資材の調達、弟達へのお土産など調達した。暴れん坊なエースには短剣を買ったし、知的な一面もあるサボには航海術の本を、ルフィには美味しいご飯をあげるための上質そうな食材を……
そうやってウォーターセブン内で色々調達しつつ、街中にあるスライダー擬きをブルと大はしゃぎになって楽しんで。数時間後には買い物も終わってブルにお菓子をあげるとその場でお別れし、ガレーラカンパニーに足を運んだ
そこは通称『ガレーラ』と呼ばれ、商談さえ成立すれば世界政府の船から海賊船まで何でも作る。最高責任者は創設者である社長で、ウォーターセブンの市長も務めるアイスバーグさん。島内に複数のドックを持っていて、船の製造はそこで行われる。そのドックの中でも1番ドックと呼ばれるドックの職人達は、社内トップクラスの造船技術を持っていて、更には料金の踏み倒しや略奪を狙う海賊を撃退出来るだけの強力な戦闘能力も持っている。特に職長と呼ばれる現場の責任者達の実力は群を抜いているそうだ……
私は1番ドッグじゃなかったけども腕の良さそうな職人さんに担当してもらい、綺麗で丈夫な船を造ってもらった。どうやら1番の職人さん達は別件を担当しているようで、それを聞いた私は自船の担当が別な事にホッとした。と言うのも、ガレーラカンパニーは造船会社だから当然肉体の強さが必要なのだが、一番ドッグに紛れる二人の男達がどうにも怪しかったのだ。一人は真っ白な鳩を肩に乗せた紳士風で眉毛と顎髭がオシャレなシルクハットの大男、もう一人は短い金髪にキャップを被って真四角の長い鼻が特徴の陽気な好青年……。私は何故か彼らに戦い慣れた強者の気配を感じ、只の職人じゃないのではと勘繰っている
その為、経費や職人スキルを考えた結果、それなりの職人さんを宛がって貰ったのだ
