第13章 里帰り
と言ってもまぁ、海賊になろうとする人間は大半、何かしら重たい事情を抱えてるものなんだけども。何せこの世界には不条理や悪意が多いようで、だえだえと鳴いてる天竜人は平民を下々民と罵って奴隷に扱い、奴隷は解放された後でも平民以下の烙印わ押され、数多の種族がいるのに平和な共生さえも出来ない……
しかも天竜人は、発言一つで法律さえも覆すのが当然らしい。世界中では凡ゆる国で人攫いが横行しており、その時に攫われた人間が人身売買(ヒューマンショップ)で天竜人や海賊の奴隷にされている。取り敢えず私達に出来るのは人攫いの阻止や、シャーマンショップを天竜人が干渉する前に壊滅させる事……。もちろん限界はなるし、手遅れだったと分かった時の悔しさや怒りは筆舌し難いものだ……
まぁでも、だからって心に影を背負ったり堕ちるほど繊細なタイプじゃないけどね。何がどうでも只管戦って生きるしかないんだから……
そんなわけで海軍の荒んだ生活を過ごす私にとって、唯一の癒しとなるのがやっぱり可愛い弟達だった───
毎日夜にしている電々虫の電話によれば、どうやらあの子達は予想通り仲良くなってくれたようで。そのキッカケはエースとサボが回収していた金目の物で、偶然それがブルージャム海賊団のお宝だったらしい。彼らは近場で有名な悪ガキであるエースとサボの仕業だと見抜き、ポルシェーミというそのお宝を持っていた男が取り返そうとした結果、勘違いでルフィを捕らえて尋問されて……。そこを何とか二人で救出し、大泣きしているルフィと親友になったのだ
今では一緒に三人で野山を駆け回ったり、食事の動物を狩ったり山菜を集め、捨てられた物を売っては海賊貯金を貯めたり。ともかくエースとルフィはダダンさん達を相当困らせているらしく、三人からとは別の電話で「何とかしろよ」と縋られたけど、姉だからむしろそんなの無理です。仲がいいのは微笑ましいから諦めて?
それに海兵になった私は故郷に帰れる機会など早々なくて、エース達には悪いけども毎日電話で話すぐらいしか構ってあげれなかった。だから三人が互いに気を許せる存在になって、喧嘩が無いわけじゃないみたいだから心配が皆無ではないけどとっても安心するのは当然で……