第1章 貴方は誰を選びますか (烏 青 音 梟)前編
ワクワクドキドキが止まらなくて
駅から思わず走って登校。
『春って気持ちい!…っわあ!』
曲がり角から歩いてきた人にドン、とぶつかる。倒れると思った瞬間に前に腕を引かれて何とかセーフ。
背が…たかい…!上級生だろうか…?
とりあえず、とりあえず!
『す、すみませんでした!
私が走ってて、それで、えっと…っ』
「いや、僕は平気だけど…
キミこそ大丈夫?腕引っ張ってゴメンね」
『全然です!ほんと全然!』
「そう、なら良かった。」
そう言って爽やかに去っていった彼の背中にお辞儀をして私は歩き出した。走りたい気持ちを我慢して…。また誰かにぶつかってしまったら大変だからね。
ドキドキする気持ちのまま学校へ着くと、昇降口の前のところでクラス表が大きく貼られていた。
えっとわたしは…1組。1年1組だ!
すぐに名前を見つけて教室へ向かう。