第1章 貴方は誰を選びますか (烏 青 音 梟)前編
今日も昨日と同じように
2人で俺の家へと帰ってきた。
俺が風呂から戻るとベットの上で座りながらウトウトしているが待っていた。
「眠い?」
って聞いたら返事の代わりに両腕が伸びてきた。
いつものぎゅーですね。
今でも昔のように求めてくれることが嬉しくて黙って抱きしめた。いつまでたっても甘えん坊な彼女が愛おしい。こうやってずっと俺だけに甘えてほしいなんてワガママだよな。
俺の背に回っていた腕にきゅっと力が入って、少しだけ…ほんとに少しだけ震えてるんだ。だから安心して欲しくてそっと頭を撫でる。
『ん…落ち着く。』
良かった。
3年間寂しくて会いたくて死にそうだったんだ。それはきっと俺だけなんだろうけど…。もう俺から離れていかないでくれ。ねえキミは何を怖がってるの?ほんとは聞きたくて仕方ない。でもまだ…だ。今じゃない。
『孝ちゃん…聞かないの…?』
〝何か〟あったことに気づいていながら何も聞いてこない俺に辛そうな声を漏らすの瞳は不安げに揺れている。
俺を突き飛ばしてしまったから?
俺のことすら突き飛ばしてしまうほどの〝何か〟を抱えているを誰が責められるっていうんだよ。お前はなんも悪くないよ。怖がらせないように俺が気をつければいいんだ。
だから…
「離れていかないでくれ。」
『離れるわけないよ』
返ってきた儚いその声に目頭が熱くなる。
ねえ…俺やっぱり期待してもいいかな?
今よりもっと深い関係になりたいよ。
俺だけのにしたい。
そのままゆっくり布団へとはいって
2人同時に眠りに落ちた。
そして俺たちはまた一緒に起きて
同じ弁当を持って学校へ行くんだ。