第1章 夢の始まり
海軍基地にある自室に戻ると荷物を簡単にまとめ始める。
基本的に物は少ない。
17になったら海へ出るって昔言ってたからその頃自分も海に出ようと思って荷物は最低限にしていた。
元々海軍本部から東の海に移動になったから荷物は少なかったのだけれど。
普通の人よりさらに少ないと思う。
荷物は最低限。
着替え、衛生用品、お金。
着替えってどれくらい必要なんだろうか?
「とりあえず3着あればいいかな?」
後は、銀行に行ってお金を下ろしてこよう。
海賊になったら銀行はいらないでしょ。お尋ね者が銀行に行くとか聞いた事ないし。
そうして、出来上がった荷物はリュックひとつ分。
頭の中でルフィとどうやって合流するか考える。
この島で合流する事はちょっと難しいかもしれない。
スモーカーさんが、簡単にこの島から出港させるわけが無い。
となると、合流はグランドラインに入ってからかな。
ボクはどうやってグランドラインに入るか…
いや、海軍って立場を使わせてもらおう。ちょっとあちらに用があるってことで。
それからルフィを追いかけるのも悪くない。
むしろ少し楽しそうだ。
「〜♪」
鼻歌なんて歌いながら荷造りしていく。
「曹長失礼します!」
「っ。はい、どうしました?」
「それが、麦わらのルフィが処刑台に…」
「はぁ!?どういう事です??あ、いや。説明は向かいながらで」
部屋に入ってきた海兵さんは慌ててる。急ぎなのだろうと思えば、ルフィの名前が出た。
もう上陸してたんだ。
きっと腕のいい航海士がいるんだ。
ルフィは航海術を知らないから。
荷造りしていた荷物をデスクの下に放り投げて、代わりに背中に〘正義〙と書かれたジャケットを羽織る。
この町の中央には処刑台がある。
昔海賊王が処刑された場所だ。そこにルフィは何故か道化のバギーに取り押さえられてるらしい。
海軍は海賊同士の潰し合いなので周りで待機中との事。
「詳細は分かりました。スモーカーさんとは別側に行きます。アナタは持ち場へ戻ってください」
処刑台の広場へいくと処刑台をバギーの仲間たちが取り囲んでいる。
なるほど、迂闊には近寄ることが出来ないか。