第1章 夢の始まり
そっか、ルフィがもうとっくにぶっ飛ばしちゃったか。
「そっか。相変わらずめちゃくちゃだなぁ…ルフィ」
「なんだよ、不満か?」
ぷくぅーっとほっぺたを膨らませるルフィ。
不満なんてない。
5年間会ってなかったけど私は安心してるんだ。
「変わってなくて安心した」
そう言って、ルフィにギューッと抱きつく。
「おいおい、ブラコンか?」
ウソップが茶化す。
「兄妹愛です…そういえば、このままグランドラインに?」
「あぁ!そのつもりだ」
「じゃあそろそ入口かな。」
「やっぱりはグランドラインにもいった事があるの?」
「はい。海軍本部はグランドラインにありますから。何かあれば聞いてください。」
「へぇ、お前。グランドライン行ったことあるのか。」
「んー、つい半年前くらいまでグランドラインにいたよ。」
「ほんとか!?どんな海だ?イーストブルーとは違うのか?」
「そーだよ。全然違う。でもそうだなぁ…百聞は一見にしかず!とりあえず行ってみよう!海賊として行くのははボクも初めてだから。」
「よし!進水式しようぜ!」
ガタガタとみんなで甲板に出る。
サンジさんが樽に入ったお酒を運んでくる。
外は嵐だ。
1人ずつ樽に足を乗せていく。
「おれはオールブルーを見つけるために」
「おれは海賊王」
「おれァ大剣豪に」
「私は世界地図を描くため」
「お、おれは勇敢なる海の戦士になるためだ」
みんなが、こちらをみる。
海軍の制服を着てるのに海賊としての誓いをたてるなんて、へんな感じだ。
でもみんな決意があってここに居る。
ハンパな覚悟じゃだめだ。
夢、ボクの夢…
笑われないかな、笑わないか。
「…コレクション完成のために」
ん?って顔をされるけど、笑って誤魔化す。
「「「いくぞ!グランドライン!!」」」
ガコォン!
樽の蓋が外れそのままみんなお酒を飲み始める。
「呑まねぇのか?」
「はい、体質的にまぁったく呑めないのです。」
「ガキかよ、ほらウーロン茶なら飲めるか?」
「あー、そういやガキの頃一口飲んだだけでひっくり返ってたな。」
「今も変わらず、むしろ具合悪くなるから呑むなってスモーカーさんに怒られること数回…さすがにもう一口も呑まないよ…」
懐かしいな