第1章 夢の始まり
つい先日あったナミさんの島の話を聞き終わるころには、眉間にシワがよりまくり、握り拳は握りすぎて爪が食い込んでいる。
「なるほど。まず、元海軍として申し訳なかったです。」
「申し訳なかったじゃすまねぇだろ!ナミさんは」
「サンジ!に言ったって仕方ねぇだろ!」
ルフィが間に割って入ってくる。
熱くなってる所本当に申し訳ないけど、そのあたりはボクは冷静だった。
「いいよ、ルフィ。でも、ボクは海軍本部所属。アーロン一味の管轄は16支部。そのあたりの事情は全くわからないんだよ。ルフィがなんでいきなり3000万ベリーなのかも分からない。」
結局大きな組織のただの一端じゃなにもわからない。知らされないのだ。
「スモーカーさんが言ってた。完璧な組織なんてものはないって。こーゆー事なんだ…」
別に海軍であることに誇りを持っていたりやりがいを持っていたわけじゃない。
それにしても、正義を背負う海軍が金を受け取って報告を怠るとは…
いや。でも七武海の傘下だし金銭のやり取りがなくても報告はもみ消されていたかもしれない。
ぐるぐると考えて答えが出ない。
「なんで当人の私よりもサンジくんがの事責めるのよ。過ぎた事よ。でもそうね…一つ聞かせて?」
「はい」
「がもしあの島に来てたらどうしてた?」
「ぶっ飛ばしてます!そもそもボクは略奪や人に迷惑をかける海賊は嫌いです」
憤慨して目の前に置いてある海軍の帽子を上からゲンコツで潰す。
「というか、16支部のネズミ大佐ごとぶっとばします。わかってます。下っ端じゃ組織を変えられないってことは。本部にだって腐った海軍はたくさんいます。(だから実力があるスモーカーさんはまだ大佐止まりなんだ)」
「……ならいいわ。さすがルフィの兄妹ね、ぶっ飛ばしたのよ。ルフィは。」
「え?」
「その、ネズミ大佐をぶっ飛ばしたのよ。だから3000万ベリーなんじゃない?」
「ぶっ……あははは!いきなりそんなことやったの?ルフィ!」
「だってあいつムカつくからよ」
「あーー、笑った。わかる、一回だけ会った事がある。あの時はこらえたけど、次はないって思ったもんね。」
いつだかあった事がある。
ネズミ大佐を思い出しイラッとする。