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桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】

第16章 なないろThursday【宇髄天元】






私にはセフレがいる





酔った勢いで一発ヤってしまって、そのあまりの身体の相性の良さにお互い暗黙の了解を経て関係を続けている


もちろんお互いセフレだと言うことは理解している



毎週木曜日に会うのは週末はお互い恋人との時間に使うため
会うのは決まってどちらかの部屋で外で会ったことはないし、その時も絶対に泊まらない
セックスのためだけに会い、終わったら余韻に浸る間もなくシャワーを浴びて帰るのが定番だ。



それでも離れられないのは貪るようなセックスが気持ちいいから
それだけのこと

だけど、つい最近事情が変わった
長年付き合っていた彼氏と別れたのだ
理由は『他に好きな子が出来たから』というこれまた定番の物
情はもちろんあったし、ぼんやりこのまま結婚するんだろうなぁ…と思っていたから青天の霹靂だった

ただ私に彼を責める資格はない
ずっとずっと裏切ってきたのは私のほうで、今日も今日とて別れて三日しか経っていないと言うのに天元が家に来ている
切れないのは私だ
急に彼氏がいなくなって寂しくなってしまった私は天元が来てくれることに別の意味合いを求めるようになってしまった



「ねぇ、天元…?お茶でも…飲んでいかない?」


「へ?…あ、え、いいのか?」


そう切り出したのはもう少しそばにいて欲しかったから
誰かと喋りたかったから
突然のおねがいでも天元は嫌な顔ひとつせずに頷いてくれて、私は冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを二つ出すと一つを彼に投げた



「お、サンキュー!喉カラカラだったんだわ」


「あはは、言ってよ!お茶くらいいつでも出すわ。私も喉カラカラ」


「そりゃ、あんだけ喘いだら喉カラカラだろうな」


「や、やめてよ!素面では恥ずかしいじゃん!」


私たちはセックスの感想すら言い合ったことはない
ただただ求め合い、貪り合う肉食動物のようなセックスが気持ち良くて、言葉なんて必要なかったから


「…何かあったのか?」



「え?」



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