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桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】

第14章 雑念を君だけに【トラファルガー・ロー】






「…先生、相談があるんです。」

「え、あ…は、はい。」

「寝ても覚めても1人の女性のことしか考えられないんですが病気でしょうか?」



──え…?

「毎日、その女性の夢を見てしまうんです。大体犯してます。」

──おい、それはヤバイだろう。

「そんな雑念に頭が支配されるなんて自分の頭がおかしいんだと思うんです。」


ああ、私は彼に助けられたのだ。
教師としても恋人としても。


「…その女性のことが、好きなら…おかしくなんてないよ。」


歳下だけど彼はいつだって私の力になってくれていた。
私だってここ二週間ずっと一人の男性のことしか考えていなかった。


「…じゃあ、良かった。」

「先生もね、ある一人の男性のことしか考えられないの。一緒だね。」

「…そうですか。もっと先生に相談したいことがあるんですけど、今日課外授業いいですか?」


ニヤリと笑う彼につられて笑ってしまった。
元幼馴染の恋人は歳下で高校生。
私は彼の通っている高校の養護教諭。
これは変えられない事実。


「…いいよ。」

「たまにはこういうプレイもいいな。」

「プレイって言わないで。」


グランドでは部活動をしている生徒たちの声が聞こえるし、廊下からはふざけ合っているのかドタバタとした足音も響き渡っていて、ここが学校だと思わされる。


それでも自分を見つめる彼の瞳は熱っぽくて女として見てくれていることに喜びを感じることができる。どんな立場であれ、相手を思いやることは忘れてはならないと彼が教えてくれた。


「二週間分の雑念を取り戻す。」

「ちょ、マジでやめて。」


しかしながら男子高校生の若さ故の性欲を甘く見ると痛い目に遭うと言うことは声を大にして言える。




FIN


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