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桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】

第14章 雑念を君だけに【トラファルガー・ロー】





養護教諭とは、所謂「保健室の先生」だ。
保健室に常駐し、校内の児童生徒の疾病や怪我等の応急処置を行ったり、健康診断や観察を通して心身の健康を掌る教職員のことを指す。


高校の養護教諭として働き出して一年目。
保健室には体調が優れなくて休みに来る生徒や部活や授業で怪我をしたりする生徒等、ここに来る生徒は様々だ。


ーー例えば、心理的な相談を目的としてくる生徒


「せ、先生…。僕、コンビニの成人雑誌のコーナーをつい見てしまうんです…!頭がおかしいんでしょうか?」


このくらいの年齢の男子高校生といえば、エロ本やエロ動画に興味津々だと思うので全く問題はないとは思う。むしろ正常と言えよう。
しかし、勿論三者三様で真面目な生徒の中にはそんな自分を許せなくて人知れずに相談に来るということも少なからずいるのだ。


「…お、おかしくなんてないよ。高校生なんだからそういうことに興味あっても普通だと思うよ。」

「で、でも…‼︎そんな雑念に頭が犯されるなんて自分のことを信じられない…!」


本当に普通のことなのだが、それが受け入れられず思い悩む生徒も少なくない。彼らのような生徒と比べるとまだ保健室で下ネタをぶっ込んでくる男子生徒の方がまだお気楽でいいと苦笑いをしてしまう。


「大丈夫。女性の体に興味を持つというのは子孫を残す上で必要なことだから。人類の歴史的にも何の問題もないよ。」


こういう真面目な子には真剣に話を聞いて何故問題ないのか生物学的な話まですると少しだけ落ち着いて帰っていく。納得するまでには時間がかかると思うがそのきっかけになれば良いと思って対応している。


やっと気持ちが落ち着いたのか重い腰を上げて帰っていく彼を見送る。
"先生、ありがとうございました!"と爽やかに帰っていく生徒を見るとあまり年齢は変わらないのだが、この仕事をしていて良かったと思える。


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