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桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】

第13章 君との合図【トラファルガー・ロー】






──コン
机を一度叩くのは"家に来い"

──コンコン
机を二度叩くのは"教務主任室に来い"


私達の逢瀬はその二択。それ以外はあってはいけない。ルールはそれだけ。だけど好きになってしまった自分の"負け"なのだ。


(…だいすき、先生。)


頭から離れないその言葉は心の中で何度も叫ぶがもちろん誰にも聞こえない。
そして誰にも聞こえてはいけない言葉。


──コン
今日は先生の家に行って行く日。



***


「…だいぶ慣れたな。」

「ふぇ?!あ、は、はい!!」


あろうことか担任の先生に恋をしてしまった私は1年間の猛アプローチの末、先生と交際することになった…わけではない。


だがヤることはヤッている。
1年経っても振り向いてくれないので処女だけでもどうしても先生に捧げたくて先生の家に押し掛けた。

"処女はめんどくせェ"と言われたが、家の前で泣き喚いた自分を仕方なく部屋に入れてくれたのだが、その日は抱いてくれなかった。

それどころかそこから更に半年間通い詰めたがため息を吐いて部屋に入れてくれるがごはんを食べさせてくれて何もせずに車で送ってくれるのだ。

先生が抱いてくれるようになったのはここ最近の話。どうしても卒業までに先生に抱いて欲しくて、全裸で迫った。

"付き合わなくていいです!先生に抱いて欲しいんです‼︎"


そんなことを言ってしまってはもう交際など夢のまた夢。

それでもいい。
ただ先生に抱かれたかった。
心が手に入らないなら体だけでも欲しいと私が望んだ。こんなに人を好きになったことはない。

まだ18年間しか生きてはいないが、死ぬ前に人生で一番好きになった人は誰?と聞かれたらトラファルガー・ロー先生と言うだろう。


「何だ、痛かったのか?」

「い、いえ!痛くないです‼︎気持ちよかったです‼︎ありがとうございます‼︎」

「……送る。服を着ろ。」


この瞬間が一番寂しい。
高校生である以上、親に内緒で外泊などできるわけがない。うちの親は比較的放任主義だからバイトもしてるので遅くなってもあまり煩く言われないが、流石に外泊は無理だ。


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