• テキストサイズ

桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】

第8章 チョコレートよりも甘い愛を【トラファルガー・ロー】





2月14日
それはバレンタインデー
所謂女性が男性に愛の告白をする日。我が国ではほぼ全国民に知れ渡ったイベントだ。
だが、自分だけはそれよりも大切なイベントがある。


そう、誕生日である。


しかしながら私の彼氏はお医者様で尋常でないほどのスケジュールを毎日毎日こなしており、クールでイベントごとには興味を示さない。

更にもう半分ヤケクソでしてみた告白が奇跡的にOKしてもらえて初めての誕生日。
言ったことはあるが、忘れてるかもしれない。いや、あの忙殺レベルだ。覚えていたら逆に怖いと言うものだ。

それなのに無駄に休みを取ってしまう私は何とも滑稽な女だ。もしそうであれば言えばいいものを。細胞レベルのプライドがそうさせない。

(…くだらない意地だわ。)


毎年この時期はバレンタインデーの方が盛り上がっている。どこのデパートに行っても人気なのはチョコレート売場。
その為、ここ数年は自分の為にお高めのチョコレートを買うのが定例となっている。今年もそれでいい。

彼氏ができたからと言って祝ってもらわないといけないわけではないではないか。

忙しい中でも必ず連絡は1日1回はくれる。
余裕がある時は何度もやりとりもする。ハイスペックな彼氏を持っているわけだからそれすらも有難いことなのかもしれない。

大体、バレンタインデーの彼はさぞたくさんのチョコレートを貰うことだろう。私のなんて要らないくらいだ。

それでも自分用のお高めのチョコレートと共に会えなくて渡せないかもしれないけど、念のため彼の分も購入した。

会えるかもしれないというほんのわずかな期待を胸に抱く。
何故なら誕生日は明日。

ひょっとしたら0時になったら連絡くれるかもしれない。

ひょっとしたら0時になった瞬間にインターホンが鳴るかもしれない。

ひょっとしたら0時になった瞬間に目の前を車で通って顔だけ見に来てくれるかもしれない。


/ 190ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp