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桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】

第4章 靴下はもういらない【トラファルガー・ロー】






「お前、早く帰れ。ここで寝るな。」


「何でよ!いいじゃん!遊んでくれたって!最近全然遊んでくれないーーー!」



「テメェと違って医大は忙しいんだ。とっとと去れ。彼氏に遊んでもらえ。」





現在、かまってほしくてたまらなくて遊びにきたはいいが、ちっともかまってくれない彼は私の幼馴染み。

カッコいいし、スタイルもいいけど、この通りとっても冷たい。

昔はもっと優し……くないな。こんな感じだ。




「…彼氏も忙しいんだって。」



「なんならソイツよりオレのが遥かに忙しい。」




(彼氏、か…。)


付き合って1年になる彼氏はローと違って優しいし、ローと違って褒めてくれるし、ローと違って小さな変化にも気付いてくれる人。
だけど、最近忙しいらしくてもうすぐクリスマスなのに約束すらしていない。


会いたいと思ってもあちらは社会人で会社の人との付き合いがあるみたいで学生のワガママだと思われたくなくてつい背伸びをして平気なフリをしてしまう。




「ローは彼女とクリスマス過ごさないの?」


「だから忙しいっつってんだろ。今は女とか面倒なだけだ。」


「遊んであげようか?」



「…….お前、話聞いてたのか?」




なかなか会えない寂しさをローで埋めようとでもしているのか。
彼がいる空間にいるだけで安心感で包み込まれる。
幼馴染と言うのは言いたいことを言えて何と楽なのだろうか。




「………あーーーいーーーたーーーいーーー!!!!」




「うるせェ。それは彼氏に言え。お守りは御免だ。」



急にこちらを振り向くとベッドに寝転んでいた私を担いでドアの外にポイッと投げ出されると途端に冷たい床の感触にブルッと震える。




「…お前、靴下くらい履け。毎年言ってるだろ。」




怪訝そうな顔をしてバタンと閉められるドアの前に立ち尽くす。
いつもはなんだかんだで相手をしてくれるのにあんな風に冷たい視線を向けられたのは初めてだった。

(…ローのバーカ…)


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