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桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】

第24章 桜舞い散る君想ふ【宇髄天元】※






「よぉ!久しいなぁ!!」


「あら、天元。こんにちは。久しぶりね。」


「「「こんにちは〜。」」」


「こんにちは。雛鶴、まきを、須磨。」



街でバッタリ出会ったのは柱仲間の。
柱同士がこんな風に街中でバッタリ会うことは珍しい。

いつもは任務で大忙しで碌な休みもないからだ。



そんな今日はたまたま須磨にせがまれて甘味を食いに行くところだった。
そんな時にバッタリ出会したのがだ。


は同じ柱仲間でも同期だったこともあって仲が良い方だ。
男女差はあれど、親友とも言える間柄と言っても良い…と思う。



「お前、暇?」

「暇じゃない。」

「はぁ?!暇だろ?!絶対!」

「暇じゃないわ。今からのんびり散歩でもしようと思ってたの。」

「はぁ?!それは暇だろうが!」



コイツとは口喧嘩もするし、何でも言い合えるので女と言えど貴重な存在だ。
見た目は誰が見てもド派手に美人と言えるのに、歯に衣着せぬ物言いをするし、何より柱だ。
強い上に守ってやりたい対象になりにくいのだろう。

飯を共に食らうことくらい何度もあるのに、コイツは徹底していることがある。


嫁達がいるときは頑なに誘いに乗ってこない。


もちろんそんなことは嫁達に言ったことはないが、何となくそんな気がしていた。
そして案の定、今日もこの通り。

のらりくらりと躱されてどうせ今日も誘いに乗ることはないだろう。


「コイツらと甘味を食いに行くからお前も来い!」

「いってらっしゃい。気をつけてね。じゃあ雛鶴、まきを、須磨。またね。」

「「「は、はい…」」」



ほらな。
この通り、まだ俺の返事も聞かぬまま颯爽と去っていくに取り付く島もない。


いつもコイツらがいる時はこんな感じだ。


嫁達を嫌ってるとかそう言うのじゃないことくらいは分かる。
アイツはそう言う類の人間ではない。

どちらかと言えばそこに見え隠れするのは"遠慮"だろう。




「天元様、引き止めなくて良いんですか?」


雛鶴が遠慮がちに聞いてくるが、誘った相手は既に後ろ姿さえない。

今から引き止めたところで最早時すでに遅しだろう。


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