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桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】

第22章 地球で一番優しいあなた【宇髄天元】





「起きろって。こんなところで寝んな!熱中症で死ぬぞ!」


いや…というか恐らくちょっとなりかけてる。
食欲もないって言ってたし、何より気持ち悪いってヤバいだろ。
肩を許し続けると漸く目を開けたホッとしたが、虚ろな目で俺のことを見上げているのでゆっくりと抱き起こしてやる。


「お前な、エアコン壊れたんならすぐに連絡しろよ。家に来てればよかったろ?」

「てんげん〜…本当に来てくれたの…?やさし…地球にうまれてよかった…」

「何言ってんだよ。しばらく家にいろ。荷物、何持ってく?」

「ん〜……ぱんつとぶらじゃー。あとはてんげんのかして…。う〜…気持ち悪い…。」


何度もお互いの部屋を行き来しているのだから何処に何があるのかは分かる。怠くて動きたくないと言うに代わりにご所望のものを準備すると鞄に詰める。


「帰りにコンビニでスポドリ買って帰るぞ。明日気持ち悪いの治んなかったら病院連れて行ってやる。」

「イケメンのいるところね…。」

「テメェ、喧嘩売ってんのか?俺以上の男いねぇだろ!?」

「そうでした。今のは嘘です。」


いつものらしさも散見するが、目には力がないのでそのまま体を抱き上げると、素直に首にしがみついてくる彼女にため息を吐く。


「天元…来てくれてありがとう。地球で一番カッコいいよ。大好き。」

「最初からそう言えよな。」

「だって汗だくで恥ずかしいんだもん。」

「ヤってる時も汗だくだろうが。」

「一緒にしないで。あー…頭痛くなってきた…。早く涼しいとこ連れてって…」


本人の申し出通り、汗だくの体が冷えないようにタオルを手にして車に向かうが、わずか数分の距離なのにぐーすか寝てしまった彼女。

結局、家に連れて帰り、スポドリを飲ませて涼しい部屋で寝ると翌日には回復していてイケメンのいる病院には行かなかったが、それ以来頻繁にの部屋に通うようになったのは言うまでもない。






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