桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】
第21章 君越しのチョコミント【宇髄天元】
突然キスされることなんてよくあることだが、こんな昼間に公共の場でするには濃厚すぎるのでやはり止めようと思ったところで潔く離れた天元。
その顔は"してやったり"な表情で少しだけ眉間に皺が寄った。
「…お前越しに食べるんならチョコミントも悪くねぇな。」
「…はい?!味見のためにキスしたの?!」
「そうだけど?別に良いじゃねぇか。さっきも家でしたろ?」
家でするのと公園でするのとではわけが違うと言うのに、天元の笑顔を見てしまうと下手に咎めることもできずに口を尖らせる。
「次は一緒にチョコミント食べようよ。」
「それは無理。」
「ケチ。ケチ柱。」
「…お前、帰ったらぶち込む。」
二日酔いだと言っているのにこちらを見下ろす天元の目は本気で肩を竦ませた。
しかし、お互いに罵り合っている内に溶けたアイスが手に伝ってきたので慌てて食べ進めたが、早く食べてしまえばその分早く家に帰らないといけないんだと頭を抱える。
こんな時の天元は大体"本気"。
家に入った瞬間にベッドに連れて行かれてしまえば、宣言通りに何度もぶち込まれることになり、私の体はアイスのように溶けていった。