桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】
第3章 ホワイトレディ【トラファルガー・ロー】※
「先生、検査結果です。」
「ああ。」
はい、会話終了。
これが彼の普通。
看護師として勤務し出して、最初は何てカッコいい先生なんだろう!と胸をときめかせていたが…必要以上は話さない。
どんなに美人のDr.や看護師に誘われても興味がないのか院内で浮いた噂は聞かない。
そうなると噂が噂をよぶというもの。
めちゃくちゃ美人な女と付き合ってるという噂が流される。
大病院の娘やら大企業の娘やら
とにかく金持ちの娘と結婚間近だと。
噂に尾ひれがつきまくり、自由に泳ぎまくった結果だ。
そして
私には秘密がある。
「おかえりー。」
「おい。お前、今日マルコと2人きりで話していただろう。ふざけんなよ。話しかけられたら殴れとあれだけ言っただろう。」
そう、
私が彼の恋人なのである。
ただの看護師。
家柄も普通。
ここに働き始めたばかりの時に何故か気に入られていつの間にか付き合っていた。
いつの間にかというのは語弊がある。
1年前当時付き合っていた彼氏に振られて傷心でよく行くバーでヤケ酒をしていたら、たまたま居合わせたローがそれに付き合ってくれて酔った勢いでヤってしまった。
まぁ、それはそれはビックリしました。
朝起きたらローの家でベッドで素っ裸なんだから。
何でそんなことになったのかと…必死に頭をフル回転に働かせたが思い出せずに朝起きて土下座して謝った記憶がある。
咄嗟にこのことは誰にも言わないでください。と懇願した。だって…医院一のモテ男のローとヤったなんて…袋叩きに遭う…!ヤバイと直感的に感じたから。
一晩限りの女でローもたまたま溜まっていたから抱いたのだと思い、しばらくはそのまま気まずい関係を続けていたら、1ヶ月ほど経ったある日、飲みに行くから付き合えと言われた。
前に散々ヤケ酒に付き合わせてしまったお詫びも兼ねて快くOKしたのだが、その時にとんでもないカミングアウトをされた。
あの晩、私たちは付き合い始めたというとんでもない事実を。
…嘘でしょ。と頭を抱えたのを今でも覚えている。
「そんなこと言われてもちょっと検査のことで話してただけだって。」
「ダメなもんはダメだ。」
付き合ってると言われた日から私の生活はガラッと変わった。